11.14
なんとエロチックな花芯でありましょうか。
羽毛につつまれた秘所のようであります。
ひとつの恋が枯れたとき、出会いから別れに至るまでの歳月と出来事を、一編の詩に結晶させることが出来たなら、数少ない恋として、美しさを保てるかもしれませぬ。
咲きながら腐臭を放つ濁情があり、その腐臭から逃れるために、白い恋に身をひそめることもございます。
「いつか純白のワンピを着せてみたいな」
「ウェディングドレス?」
「いや死装束」
腐臭に染まった心を、流し落とすために用意した、もうひとつの恋なのでありました。
好きになるなよ、私メを好きになってはいけない。
私メが好きになるのはいいけれど、おまえは私メをこれ以上好きになってはならない。
好きになると白い恋もまた同じように腐臭を発するからであります。
「ああ、お前もか…」
と落胆したくはないのであります。
愛しあう相性ではなく、一緒に死ぬ相性でいてほしかった。
大衆居酒屋の隅で、ふいに嗚咽するような不幸せなお女性。旅の漁村に着いたばかりなのに、もう帰路の悲しさを想ってしまうお女性なのです。だから笑い声に満ちたにぎやかな飲み屋の座敷の畳に涙を落してしまうのでありました。
その心の不思議をいつまでも守り続けてほしいのであります。
愛すれば謎が揮発し、倦怠に包まれ、花は汚れ、音もなく落ちてしまうのでございます。
腐臭を放つ濁情が絶した時、その花もはなびらを閉じたようでありました。
冬が来る前の冷たい雨の季節のバス停の舗道に落ちている濡れた花びらは夜には排水溝へと流されるのでありましょうが、心には、いつまでも白の記憶として彩られているのでございます。
恋の相談が多くなりましたです。
男のやさしさは暴力。男のつめたさは優しさ。
前回の十傳スクールで口を次いで出たセリフでございます。
忘れないように書き留めましたが、恋が去ったときに、この言葉の意味が破れた心の隙間から沁みこんでくることでありましょう。
まるでアンナ・カレーニナ のようですね。
初めは目が合うだけで、手を握るだけで幸せだった。
そして段々に相手の心を自分だけのものにしたくなり
最後には傷つけあう仲に。
「愛しているならば何も求めず、愛する人の幸せだけを望めばいい」
年を重ねていくうちに、このような恋愛に変わっていくものですが
若い時にはアタマでは分っていてもなかなか出来ないものです。
先生はいつも激しい恋愛をなさっていらっしゃるのですね。
最初は神秘的で魅力的な女性も
付き合っていくうちに神秘の ベ-ルが1枚1枚と剥がれていき
その顔に嫉妬や人としての醜さを見たとき、先生は失望してしまうのでしょうか
いつかは 何も求めず、ただ先生を心から愛してくれる女性があらわれる事でしょう。
何せ先生は「品行下劣な心優しき人」ですから。
●十傳より→自分の思うような男になることを強要されるのが苦痛でありますね。思うような人間でなかったから濁情が形成されたことを忘れ、冷静さを失い、いきり立たれるとどーもねぇ。あるいは奇妙な魅力に惹かれたのに「このお女性も普通のお人か」と見えてしまった時とかですねぇ。そろそろフラれ時だと、導火線に点火するわけであります。
運気の変わり目や本日のブログ等を拝読し心に響きました。
ありがとうございます。
●十傳より→あんだも最後には嫌われる自分を見てしまうお方のようでありますですね。
白い恋を装った濁情なんていうのもあるんでしょうか…
●十傳より→塵がなければ雪にはなりませぬ。だから春先の路肩の雪は土色に濁るのであります。どこまで白く装えるかが問題かもしれませぬ。
女の優しさは計算。
女の冷たさは…まんま冷たさ。
って、私は思ってマス。
つまり、女って優しくないと思う(笑)
●十傳より→だからイイのでありますです。…今日のブログで濡れましたな。お久しぶりでしたから。
もうビショビショ。
ゲリラ豪雨。
局部…じゃなくて局地的に。
●十傳より→こちらも雨が降ってまいりましたです。またコメントをお願いしますですね。