2023
11.02
11.02
久しぶりに、寿司をつまもうと、店に電話しましたところ、
「この電話は使われていない」
の音声。
「……!」
ショックに耽っております。
私メが京都から東京に居を移し、バイト先の社長に連れていかれたのがキッカケでありますから、かれこれ40年近くになる古い寿司屋であります。
大将も高齢で、「そろそろかな」と不安に思っていました。
「とうとう、この日が来たか」
値札があるよーでない寿司屋ですから、怖いのでありました。
しかし、若い頃はどんなに食っても、それほどの値段ではありませんでした。
あるとき、編集者を連れたところ、その編集者が「先生」と私メを呼んだ、その瞬間から倍の値段。
「ありゃりゃ、こりゃ失敗」
でも、時すでに遅く、しかし、悪い気はしないのが不思議であります。
或る意味、出世魚的な魔法の粉を振りかけられたのかもです。
以後、一年に四回ほど出向くよーになっておりました。
妙なもので、明朗会計の寿司屋は、ちと粋でないよーな、寿司の味が落ちるよーな、悪い意味の魔法の粉が払いのけられません。
回転寿司では、もっぱらラーメンだの、カルビ寿司だの海老天寿司だのを注文し、本当の寿司は、
「あそこで」
と決めておりました。
決めておりましただけに、「店を閉じられた」痛手は大きいのであります。
すべて過去になっていくのであります。
カルメン・マキの「時には母のない子のように」の歌が頭のなかを流れるのであります。
「♫寿司屋のない子になったなら、これからどこにいけばイイ♫」
大切なものがいつ失われるか、これも運命のひとつでありましょーか。
昨日、私は茨城県石岡市内のカツ丼が美味しいと評判の「〇〇庵」へと
初めて行ってみました
ネットでも高評価
迷うことなく店に入ると、さほど広くない店内はそこそこ混みあっていて
私は「カツ丼の並み950円」を注文したのです(高い)
待つ事15分以上、目の前に味噌汁と沢庵2枚が添えれたカツ丼が到着しました
結構濃いめの味付け
美味しかったです
でもね♡
私が住む地元の老夫婦が営業する食堂の方が遥かに美味しい
値段は〇〇庵より100円安い850円(確か)
御飯とカツの量も〇〇庵より1.5倍多い(私は食べきれない)
もちろん、備え付けられた手作りのお新香や味噌汁も美味しい
木曜・日曜がお休みなので、土曜の休日に行こうか
そう思い店の前を通ると駐車場にはイッパイの車が
「今回は諦めよう」
そんな想いで店の前を通り過ぎるのでした
ちなみに
「アジフライ定食」も絶品なのだ
唯一、私が最愛の人を連れて行きたい食堂なのです
でも、この食堂の夫婦はかなりのご高齢
数年先には過去の味になってしまうのかもしれませんね
出来るだけ長く続けて欲しいの願うしかないのです
現在、美味しい食堂の存在は「天然記念物」並みに貴重なのです
●十傳より→そのお店を大切にしてください。一期一会の気持ちで。