2024
02.23
神社の境内には誰もおりません。
社には鍵がかかっておらず、扉を開けましたら、
「おぅ!」
楽しいご神体がぞろぞろと並んでいるのでありました。
「まほろば。まほろば」
口をついで出てまいりました。
ご神体のために、多くの争いがおこります。
愛する者のために垣根をつくり領土を守りますです。他者を排斥し、戦争を始めるのであります。
お女性を敵に奪われ、子女を殺された男たちは戦意を喪い、自分を責めるのであります。
敵の男たちに抱かれたお女性は、もはや元の男に帰る気持ちを喪いますです。
この神社のご神体を、何百年も前から、いったいどれくらいの男たちが崇めたことでありましょー。ニヤニヤと肘で、隣にいるお女性の脇をつついたことでありましょー。
彼らもやがて老い、死んで、その子供らが成人して同じことを繰り返してきたことでございましょー。
そして、これからも繰り返されるのであります。
郷里におりますと、忘れていたことが、ふと甦ります。
「大丈夫だ、オノちゃんのタネじゃないから」
17歳の時、ちと問題を起こしまして、私メはお咎めなし。
相手のお女性は女子高を退学。
ゴタゴタがありまして、それから三か月後に、そのお女性と再会しましたら、ハラボテになっておりました。
その時の彼女の言葉が、コレでありました。
けっこうグザッときました。
しかし、それ以上の安心と開放感。
「最低なちっぽけな男だ、おれは」
なんて考えこんだりしたのであります。
その彼女も生きていれば、すでに老女。
歳月とは何なのでございましょーか。
扉を閉め、社を後にしたのでございます。
まさか、私メが易者になっていよーとは。
人生は面白いものでございますね。
途中、きゅうに便意をもよおし、スーパーのトイレで私メのご神体を捻じり出したのでございます。
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2024
02.22
急に気温が下がり、雪が降り積もりましたです。
忌々しい福寿草も雪の中に封じ込められました。
翌日には溶けましたけどね。
それでも寒い冬はイイものであります。
ちまたでは、今夏もエルニーニョ現象が原因して、死ぬほど暑い夏になるとか。
そこを、
「なんとか冷夏になりますよーに!」
と祈願いたします。
冷夏は五年に一度の割合でやってくるとか。
それに従うならば、昨年の夏は冷夏だったはず。
けれど記録的な猛暑でした。
であれば、今年の夏こそは…。
期待したいのであります。
モリオカに戻り四日間が過ぎました。
ニュースも見ませんから、世の中はどーなっているのか疎くなっていますが、たいして変化はないように思います。
ただただ夏の暑さを恐れるばかり。
と、考えて、ふと、将来の運命を恐れるのと似ていると思いました。
老後はどーしよう。
独りになってしまったら。
病気になったら。
あの人から嫌われたら。
などなど、考えても仕方のないことを思い悩むのと同じであります。
人は未来という幻想に見果てぬ希望を抱き、未来というマボロシに脅され続ける生き物でございます。
未来を認識してしまうのは人間だけでありましょー。
タイムマシンが出来るまで、占いは滅ぶことはございません。
高校の同級生がすっかり落ちぶれ果ててしまっているのを見てしまいました。
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2024
02.21
用事があり花巻市に向かいました。
野球選手の母校のある町ですが、そういう話題に乗じた顔写真も広告も一切なく、ガラーンとした殺風景のすがすがしさがなびいているのでした。
大騒ぎしているのはマスコミだけでございました。
花巻はまた宮沢賢治の故郷。
が、これもまた無視されておるのでした。
私メが幼い頃、宮沢賢治の同級生という年寄りが生きていて、
「普通の人だったよーん」
別に郷土が誇る人物と評価しているのは、やはり中央のお方だけ。
私メも、宮沢賢治の童話には違和感を覚えておりました。
話のなかから法華経臭さが滲んでいたからであります。
ただ、タイトルの美味さは見事。
「銀河鉄道の夜」「ヨダカの星」「注文の多い料理店」「セロ弾きのゴーシュ」などなど天才であります。
が、内容は、「なーんだ」でございました。
で、宮沢賢治が名付けた「イギリス海岸」のほとりを歩いてみました。
ただの川でありました。
名付けた本人が生きていたら、さそかし、「オショス~!」と顔を赤らめたことでありましょー。
別に宮沢賢治を貶めよーという意地悪な歪んだ気持ちはございません。
本当の感じた迄を述べたまで。
生きていた頃は認められず、死後にバカに高い評価がされていることに、なにやら不潔な意図を覚えるのであります。
さきごろ、このブログで人相の気色の見方の基本を述べましたが、今回もそれと同様。
自分の感じたことを、そのまま自分で認める素直さを養うことが大事かもしれないのであります。
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