2011
05.28

震災で海辺の町が全滅してしまったので、ホヤは食えないだろうと思っていました。

が、いつもより四倍の値段で売っていたのであります。
迷うことなく二個買い求めました。

画像がホヤを剥いて、一口サイズに切ったものであります。
口に広がる独特の甘い苦さ。

三陸産ではなく青森産のためか、やや大味でございますが、贅沢は言っていられません。

白ワインを傾けつつ、ちょぴりずつ口に運ぶのでありました。

ホヤは、女の朝の吐息のような匂いなのであります。
ゆうべ愛し合った名残りがただよう口臭。
さいしょは顔をそむけたい匂いですが、嗅いでいるうちに引きこまれてしまう、薔薇のエッセンスが奥にただよっている匂いであります。
「イヤな人ね」
女は口の匂いを気にしながら、嗅ぎまわる私から逃れようといたします。
仕方なく髪の芯とか、耳の後ろに鼻を押し付けるのであります。
「ホヤのような匂いだね」
うなじに鼻をつけたまま、スプーンのように女の背中にカラダをかさね、脇の下からおっぱいに腕をまわして、そうやって朝のしあわせに耽るのでございます。

「あんや、なに考えでるえん?」
老母の声に妄想がやぶられ、
「ちょっと出てくる」
と歓楽街へと足をすこばせるのでした。

指を嗅ぐと、まだホヤの匂いが染みついているのでありました。

  1. 先生の新刊本 拝見しました~~

    オヤジギャグ 、お墨付きでよかった!・・私大好きです!
    以前 オヤジギャグ連発の上司がいて 楽しくって
    周りから「りりサン、調子に乗るから うけないように」
    って注意された事があります ・・・ でも オヤジギャグって
    頭の回転速い証拠と思うし ボケ防止にもなるんじゃないかしら

    叔父(父の弟)も相当です かなりモテて叔母は私の実家に
    来ては泣いてたそうです
    この上司、叔父 二人から偶然にも「のどち★こ見えるまで
    大口あけて笑うな」って 言われた私です 

    <おばチャン>の出番は期待してただけに少なかったです
    (オヤジ本ですものね) でも もしや
    コレってりりのこと?・・・心当たりなきにしもあらずでした・爆
    でも りりの場合は オカルト・ホラー じゃなくって
    <サイコ>にして欲しいです。。

    エレガントさ・・・日頃 悪ぶってるくせに ふとした時に 
    育ちの良さが見える人って 素敵ですよね
    私が積極的に、、まとわりついてる男性たちです(少ないけど)
    サスガ 先生!  楽しかったで~す!! 

    ●十傳より→オバちゃんは「これはヤバイのでは」ということで削除されたようでございますです。

  2. 岩手県山田町で津波にのまれて破損した住宅にウミネコたちが巣作りを始めたそうです。
    「ウミネコ」という言葉を知ったのは栃木に引っ越してきた小学3年生の時でした。
    クラスメイトの男の子がが物と物をこすり合わせて鳴らせた音に対して他の子が「ウミネコみたい」と言ったので
    私は海にいる野生のネコだと思ってすごいドキドキしました。
    あとからカモメのことだと知って安心しました。
    ホヤも外国ではどのような名称なのでしょうね。名称によって味や形に対する想像が変わりますですね。

      ●十傳より→ウミネコの餌は人肉だったりして。今年のカニも怖いのであります。

  3. 訂正・
    ウミネコとカモメは種類が違うのですね!同じチドリ目カモメ科でも嘴と足と羽の色の違いだそうです。
    九州や北海道では白めのカモメ、本州や東北では黒めのウミネコが滞在しているのだそうです。
    栃木は東北寄りなので子供たちは宮城や福島の海で見かけたウミネコを見て育ったのでしょうね。
    岩手銘菓の「カモメの玉子」は東北寄りの「ウミネコ」ではなく北海道寄りの「カモメ」を見て名付けたのでしょうか。
    「ウミネコの玉子」が本来の岩手銘菓だとしたら面白いですね。

      ●十傳より→カモメは岩手県にはおりませぬ。「ウミネコでねくてカモメのほがいがんず」と岩手県人はそういうところでも劣等感を抱いているのであります。「かもめの玉子」はその劣等感の象徴的なものなのであります。