2022
08.03

モリオカに立った日の朝、保護したサナギから、3匹のアゲハ蝶が孵化いたしました。
窓を開け放しましたら、大空に飛んで行ったのでございます。

そして、すっかり忘れて、モリオカで数日滞在し、昨日戻ってまいりました。

ところが、今朝、玄関のドアの前で、3匹の蝶の一匹が死んでいるのを発見いたしました。
どうして孵化した蝶の一匹だと分かるかと言いますと、羽根の片方の突起が失われていたからです。
これはサナギから孵った時からの、この蝶の特徴だったからです。
数日間、どのような生活をしていたのかは、もちろん不明であります。

けれど、私メの家のドアの前に帰ってきたというのが、痛々しいのでありました。
「よし、守り神の一つにしよう!」
いつものよーに決めたのでございます。

アゲハ蝶は、オノ家の家紋でございます。
トカゲに家紋を変えようかという気持ちはそのままでございますが、
「わざわざ戻ってきた蝶なのだから」
可愛いのでありました。

若い頃、遠距離恋愛っぽくつきあっていた北海道のお女性が、突如として東京大久保の私メのアパートを訪れ、「きちゃった」と首をすくめ、小首を傾げ、ペロッと舌を出して見せたことがございましたが、あの「うわっ、迷惑…」と受け止めた気持ちとは違いますです。
死にに帰ってきたのであります。
放流した鮭の稚魚が、4年してもとの川に、「死ぬため」に帰ってきたという感動に近いのでございました。

大切な守り神となることでありましょー。