2024
04.16

モリオカの実家の近くの池の桜が満開でした。
見物したいとは思わなかったのに、ふいの衝動で出かけてみました。
人はちらほら。
屋台もちらほら。

しかし桜は恐ろしいほどに満開なのでした。
ライトアップなどはせず、ぼんぼり的な照明が不気味な光をともしているだけ。

ライトアップは桜をイジメるに等しいと日頃思っていますから、
「これでよい、これでよい」
なのであります。

欲を言えば屋台の店主が、もうすこしヤクザであってくれたら…。ちと健全なのでしたが、どーせ立ち寄りませんから、どーでも良い事。

池を半周回ったところで、ヘバったのであります。
よーやく実家に戻ったときにはヘトヘト。

「桜の花に精気を吸われた」
としか考えられません。
目を開けていることさえ苦痛になり、そのまま就寝。
午後9時代に布団にもぐりこんだのは、じつに何十年ぶりかでございます。

花を使った呪術はいくつかございますが、すべては合わせ術。
桜の森をただ抜けただけで、こんなに疲れるというには、おそらく何らかの猛薬が桜の花に仕込まれているのかもしれません。

あるいは、この池の桜木は、過去、数人が首つり自殺を遂げたという知られざる歴史がございます。
湖面にせりだした太い枝は、死ぬ人にとってはとても幻想的に見えるのかもしれません。
発見するのは新聞配達人で、最初は、
「てるてる坊主かと思いました」
口をそろえて言っております。

オノ家の貸家に住む人も、そーいえば、この桜木で首を吊ったのでした。

「イがつた~、貸家で死なれねで~」
と老母の言葉も憶えております。

桜の花。
じつは怖い花なのであります。

2024
04.15

モリオカに戻りましたら、4月15日だというのに26度。クルマの温度計だと29度になっておりました。

実家の梅は満開。
梅だけではなくこぶしの花も桜も狂い咲きしておりました。

いや、裏に回ったら、一匹のネズミが死んでおりました。

カミュの小説を思い出したのであります。
診療所の踊り場で一匹のネズミの死骸をみつけたところから物語がはじまる。あの「ペスト」という小説でございます。

今回のモリオカのオープニングなのでしょーか。
気を付けたに越したことはない。
買い出しへのクルマの運転もおのずと慎重になりましたです。

このよーな出来事は、後になってから、「そーいえば…」となにかの暗示だったと気付くことがございます。

3年前、やはり叔母の玄関先に2匹のネズミが死んでいたと大騒ぎになったことがございます。
やがて叔母の夫のナカムラが死にました。

1年前は、これまた玄関先で、またまた2匹のネズミの死体が並んでしたと騒がれ、まもなく外戚の叔母が死にました。

では、今回のネズミの死骸は…。
梅の花が風にふかれて散っております。

老梅でして、ほどよい枝ぶりになってきたのに、数年前に老母が、庭師に、その枝を切らせてしまったのでした。
いまではチョンチョコリン。
恨みでもあったのでしょーか。

梅の花びらを供花にするかのよーに鼠は死んでおります。

2024
04.14

春もすすみ、日差しが強くなりました。
いよいよモリオカの実家の庭を整えなければなりません。

以前、5年間かけて手を入れた庭は、家を建てた時、業者の資材置き場となって、廃園と化しております。

問題は体力。
数年前まで持ち上げられた石がビクともいたしません。
筋力が衰えているのであります。

すこしずつ進めるしかなさそーであります。

庭は、よほどの専門家に依頼しないとダメなのであります。
そして高くつきますです。

頭をエロに染め上げ、女体をモチーフにして、はじめて清々しい庭となるのであります。

もともとエロ体質ですから、その点はまだ大丈夫でありましょー。

一年間で、どの程度まで作庭できるか。
気長さという心の余裕も必要であります。

誰にも見せぬ計画。
秘密の花園になるのであります。

家相の知識をフル動員して吉庭を目指しますです。