2025
07.16
昔の話であります。
私メが、まだ銀座ジプシー事務所に出入りしていた頃。
ですから30代でございました。
ジプシー事務所は自由が丘の駅から、ゆるい坂道を登り切ったところにありました。
そこに老婆が働いておりました。
出入りする占い師たちは、この老婆を、お手伝いのお婆さんたと軽く扱っておりました。
「靴を磨いておいて」なんて命令する占い師もおりました。老婆は「はいはい」とニコニコと応じたりするのでした。
そうそう画像は、クラウディア・カルディナーレというブーベの恋人だったかのヒロインを演じたイタリアの女優の、老い果てたものであります。
下が若かりし頃の画像。
この差は何でありましょーか。
この世の無常であります。
さてさて、ジプシー事務所のお婆さんは、もう察しがついているでしょうが、ジプシーさんの昔のイロだったのであります。
皺たたまれた人相の奥に、キュートな可憐さが黴ておりましたです。
それにしてもジプシーさんは、優しいというか、男気があるというか、その点が、貯金がほとんどゼロにちかい原因かもしれないと思ったりしたものであります。
そして、どんな美女にフラれても、失望することはない、やがては、こーなるのだから。
占いは結局は「時」なのであります。
チャンスの時、失敗の時、金運の時、恋愛の時、病を得るとき、そして死ぬ時。
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2025
07.15
事務所が神保町にあったころ、一人のアシスタントを雇っておりました。
オオカミ少女の如きお女性でした。
ご飯をたったまま食い、箸の持ち方はグウ。
資料を書棚から抜くと、そのまま。
反論すると歯向かう。
ただ一つの取柄は、頭が良い事。
外国語に精通し、単語をいえばフランス語や英語で答えてくれること。手相の原書の訳では大いに助けてくれたのであります。
その彼女は、3年半後、マナーを身に付け、レディとして完成しました。
だけでなく世田谷にマンションを購入し、占いでもチャットの女王と呼ばれ、月に5百万円を稼ぐほどに金運も上がったのでありました。
その秘訣は、どーやら奇門遁甲にあると、私メは観察しました。
絶対に凶方位を使わないのです。
奇門遁甲には面倒な約束事がございます。
時間盤で目的地には一刻以上留まるとか、です。
が、彼女はその約束事を無視。とにかく凶方位を避け、吉方位だけを使っていたのです。
事務所にコピー機がございませんでしたので、コピーを取ってくるように命じると、
「ダメ。そっちは凶方位だから」
しぶしぶ私メがコピーを取ってきたものであります。
むろん、彼女の家から事務所が凶方位なら、「今日は休みます」の連絡が。
いま考えますと、「その方法もありか…」なのであります。
つまり時間盤で凶方位を徹底して避けるという方法であります。
現在、運気から見放されていると感じたなら、彼女のよーに単純に凶方位を避けるという生活をしばらく続けたらイイのかもしれませんです。
ああ彼女ももはや50代半ばか…。
彼女が事務所を辞める時の言葉、
「オノさんにもうメリットなし」
たまに思い出し笑いをいたしますです。
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2025
07.14
新盆であります。
私メのところは旧盆ですから、来月。
もしも、先祖のお墓が近くにあるのなら、お盆の初日か、その前日に、お花を供えに行きましょう。
花は死んだ人のためではなく、生きている人のためにあるのであります。
他の人たちがお墓に来て、花が供えられているのを見ると、
「この家は大丈夫だ」
と感じるからであります。
叔母の墓は、この数年、誰もお参りにきた形跡がございません。
荒れ放題で野草がはびこっておるのであります。
「叔母の家で何かあったのだろーか?」
と心配になったりも致します。
最後の友達のサイトーのお墓も、最近は淋しいのであります。
以前はこぼれるほどの花々が供えられていたのに、この三年ほど前から、荒れかけております。
「あとを継いだ息子の商売がダメなのかも…」
と想像するのであります。
墓参りの作法とかございますが、そんなことはじつはどーでも良くて、足しげく墓参りをして、お花で飾るのが、最高の供養になるのだと、私メは勝手に思っているのでございます。