2024
07.26

今日、7月6日はオバケの日。
江戸時代に鶴屋南北作の「東海道四谷怪談」が上演された日から由来しているみたいですが、オノ家では、その昔、いたるところにオバケが存在していたのであります。

ところが、古い家をぶっ壊し、新しく、それこそ幽霊屋敷みたいな家を建てましたのに、オバケの気配はぴったりと失われてしまったのであります。

霊感のうすい私メでさえも、となりの部屋からひそひそ声が聞こえたものであります。
襖を開いても、となりの部屋には誰もおらず、どーやら襖の紙の中に声の主がいるみたいでした。

あるいは、弟と深夜に話をしていましたら、玄関で誰かが草鞋を脱ぐよーな音が。
ワラをこすりつける音でしたから。革靴とかサンダルではございません。
しかし、玄関には誰もおりませんでした。

またある時は、風もないのに掛け軸の軸が、かつーん、かつーんと、壁を打つ音。

ほんと、当時は、夜に廊下に出るのが恐ろしいのでした。
廊下の曲がり角に、誰かがちんまりと座っているよーな気がして。

それらがすべて気配さえないのであります。
ごくたまに、ミシリと家鳴りみたいな音がする時などは、懐かしくて懐かしくて、つい嬉しくなりますです。

オバケたちをすべて追い出したのでしょーか。
霊魂が消えて3年目の夏が来ているのであります。

2024
07.25

春に採取したトカゲがよい形でミイラになりました。
じつに可愛いものであります。

これに漆を施して完成となるのですが、尻尾まで原型をとどめているばかりか、流線型で、この形はなかなか出来るモノではございません。

魂を宿らせるのは、最後の仕上げとなるのですが、ペンダントとかブローチに出来ないだろーかと、いつも思うのであります。

開運グッズというより、式神的なもの。

採取する以外に、卵を見つけて、それを飼育する大量生産的なものに思考を切り替えてもイイかもです。
が、やはりミイラにするトカゲにはいちど世間を体験してもらいたいもの。
飼育期の中で世間も知らずに牛や豚のよーに、ただ殺されるために飼うのはすこし抵抗がございます。
抵抗というよりも、
「効き目はあるのかな?」
という疑問であります。

2024
07.24

土用の丑の日。
コロナのワクチンのよーに、日本国民はこぞってウナギを食していらっしゃることと思いますです。

私メはウナギを避けまして、ちりめん山椒と炒り卵の上に、ウナギのタレをぶっかけて食いました。
ウナギ一匹の命ではなく、その何百倍もの命を胃袋に入れたというわけであります。

美味かったです。

産直で、山椒の実が売られていたので、
「今夜はこれだ!」
と決めたのでした。

山椒の実を枝から外すのに手間と時間を要しました。
沸騰させ、それから三時間を水に晒してアクを抜くのでして、そのために流刑地の老母に会いに行くのが遅くなりましたです。

部屋中が山椒臭くなり、
「小粒でもビリリと辛い」
を臭いだけでも実感させられました。

この山椒の実は、いまの季節でないと採れません。
貴重なのであります。
若い時代と似ております。
ハッと気づくと老体になってしまった我が身と比べてしまうのでした。

実が指でつぶれるくらい、だいたい10分ほど沸騰したお湯で似たのでありました。
それから三時間放置。
小生意気な少年少女を世間ズレさせるのに似ております。

窓の外では雨が降り、土砂降りとなり、急に晴れたかと思う間もなく、ふたたび音を立てて雨粒が窓を叩くのでありました。
自分は何をしているのだろーか。
こうやって老いぼれていくのだな、少年であった私メの我がままを聞いてくれた亡き教師をしのんだりしておりました。
オジャコを水に入れてふやかすこと30分。

あとは、お酒と味醂と醤油をフライパンで煮て、そこにオジャコを投入。
最後に、山椒の実を入れるのであります。

大量になったので、瓶に入れて保存。
味見をしましたら、
「かっ、からーい」
大成功でございました。

テレビでは、各地でウナギを食っている様子が映し出されておりました。

楽しそーでございます。

しかし、中国ウナギは危険でありますぞ。
いま中国では衛生面に配慮し(嘘でしょうね)、日本向けに安価で大量生産しているとか。
が、やがて日本からウナギ職人が職にあぶれたあたりに、価格を高くして売ることは目に見えております。
ウナギを食うなら日本産。

これだけはお守りくださいまし。