2011
12.22

仙台あたりから雪景色が車窓に展開されておりました。

南北に長い日本列島で、冬至のようないまの季節は、北日本は真冬、が、西日本ではまだ秋の終わりの景色でありましょう。

四柱推命において、神殺や、算命術などにパクられている変通星を主体とした用神の取り方がございますが、日本においては季節の変化に着目した調候用神法が適しているように思うのでございます。
そしてソコに、その日の天気を加味しなければならないように思うのであります。

真冬の生まれとするか、晩秋の生まれとするかでは、運命の読み方に違いが生じますです。

さらには裕福な家庭環境なのかどうかも重要でございましょう。

夏の間、うっそうと茂っていた樹木も、その魂を根っこに還して、枯木立ちでございます。

私メの目には麗しく感じるのでありますが、晩秋の木立であれば、また別の趣き。

紅葉してみせて、人々の目を楽しませるのか、冬木立ちのように孤独に耐えるのか、それを人間の人生に置き換えれば、おなじ生年月日でも様々な運命を展開することでございましょう。

さむい日本家屋の二階の自室の石油スト―プに火をともすのでありました。

そとは牡丹雪。
歓迎されているのだと受け止めることにいたしました。

さて、これから数日間、老母と雪にかこまれて、何を語るのでありましょう。

まだ三時だというのに、冬至の日射はすでに夕暮れを物語っておりますです。
30代にして若白髪の男のような日なのであります。

2011
12.21

「す」のつく食べ物…スキヤキもそうでありますが、いえいえ、寿司をつまんだのであります。

いつもは口にしないモノで統一しました。
なにしろ年末でありますから、オコチャマっぽいものを、あえてそろえたのでございます。

しかし、なかなか旨い。

口のなかでほどけながら、それでいて粘膜にまとわりつくような雲丹。

日本酒をちびりと舐めますと、ご飯が敏感に反応しまして、いつのまにか胃袋へとながれ、口はふたたびニュートラル。

イクラもほとんど口にしないのですが、なにしろ年末、紅白を意識したのであります。

なつかしい幼き頃の好物でしたから、当時、舐めるようにして食った、この赤いダイヤを、まるで復讐するようにひと口にするのであります。

しかし、イクラの美味さに感動するには、やや歳をとりすぎているようであります。

こんなうまいモノがあるのかと妹と奪い合うように食った当時のことを信じることができませぬ。

ああ、バチが当たりそうだと思いつつ、牡丹エビ。

プリンと弾けるような歯ごたえと、ヌターッとした甘さ。

味わいつつも「ふ」のつくのも良かったなぁと、贅沢なことを考えたりするのであります。

「ふ」のつくのはフグであります。

フグは12月が美味いのであります。1月になりますと卵巣の影響で味が落ちるのであります。
赤い絵模様の皿に、薄切りのフグが並べられ、その透明な身にすける皿の朱を愛でつつ食う贅沢さ…いやいや、いまは「す」のつくものでありました。

けれども、私メは赤貝のヒモあたりが好物なのであります。落ち着くのであります。

そしてタコの吸盤とかそういうもので酒をふくむのが幸せなのであります。

とはいいつつも紅白の寿司を堪能した夜なのでありました。

そういえば豪雨の夜に、あるお女性と駅の近くの寿司屋に飛び込んだことがありまして、なんとなく思い出したりしたのであります。
仲間と寿司をつまみつつ会話していたのでありますが、そのお女性の面影がかぶさってきたのは、やはりかなり酩酊した証拠でありましょう。
けれど、そういう追想は悪いモノではございません。
忘れていた初恋に触れたような、いささかむずがゆい気持ちになるのでございます。

そとの、つめたい風がここちよく、もうどこの店にも寄ろうとする気が失せて、ほろ苦い珈琲で胃袋をあらって、そのまま帰宅したのでありました。

2011
12.20

飯田橋であるはずなのに、雰囲気が、かぎりなく北千住にちかい小料理屋「川端」が、今宵の飲み屋なのでありました。

「ぬる燗を…」
とたのみますと、来るたびに、渋川がむけるように美人にみえてくる女将が、
「オノさんはさいしょに一升瓶で注文した方がお安いですよン」
と歯切れの良い江戸弁でわらうのでありました。

そこで、剣菱を一本。

この画像は、その一升がそろそろ空きそうな頃あいなのでありました。

トマトのおでんであります。
トマトの酸味とおでんの醤油仕立ての汁が、信じられないところで好相性を奏でているのでございますです。

もっとも、いつものMrギムレット氏に加え、FM世田谷でペット番組をやっているヨリシンちゃまの三人で飲んでましたから、その一升は瞬く間に減るのでありました。

それが、どれほどの早さかといいますと、お燗が間に合わないくらいといえば分かるでありましょうか。

シメは、神楽坂にもどりまして、ワインバー。
なかなか渋い店なのであります。

ここでも高級ワインを二本空けたところまでは記憶しているのであります。

気づいたら、朝で、そこは自宅でありました。

無事に帰って来たんだなぁ、とほとんど記憶のない、その後の私メなのでありました。