2011
12.07

仕事が一段落すると、ふいに心に迫ってくるのは旅心というものであります。

画像のような異国の写真を眺めつつ、遥かな妄想に耽るのが、この時期のいつものならわしなのであります。

運勢が停滞したり、恋の迷路に悩んでいるならば、もう旅行しか解決策はないのかもしれませんです。
異国に触れること…いや、異国とは限りませぬ。
場所であれ、対人関係であれ、新しいモノと接することで、自分の内面がすこし広がるものなのであります。
「ああ、こういう世界もあったのだな」
「こんな人もいたのだな」
という意識を持つことによって、
「なにも、この生き方に執着することはないわけだ」
「この人のために貴重な時間を、悩みで消費するなんてバカみたい」
出口が見つかる場合も多いのであります。

私メは、いつしか恵まれているのかもしれませぬ。
自由に行動できる日々をもっているのでありますから。

「旅行する時間もお金もありません」
「ふらふらと出来るから、そう言えるのよ」

…そうかもしれませんですね。

けれど、一泊二日でちょっとした旅行くらいはできそうなものであります。

旅先の居酒屋で、土地の人になりきる楽しみをぜひ体験していただきたいのでございます。
性格も変え、名前も年齢も職業も変えて、まったくの別人で、
「寒いねぇ、今夜は」
なんて粗末な居酒屋のけむりのなかに溶け込む陶酔ったらないんでありますよ。
「兄さんは留萌だったけかね」
というノリになるのであります。
「留萌? ちがう、もっと近いべさ」
こんな具合に。

すると、本当に自分が、この土地の人間のように感じられるから不思議なモノ。
そこで出会う人たちと夢のようなマボロシのような付き合いをするのであります。

「ああ、またあそこに帰ろうかなぁ」
まるで、眠りの向こうの世界を懐かしむように、現実の悩みが愚かなことに見えてきますです。

画像の西班牙のバルに紛れ込むことができるかどうか。
いま、私メは自分と相談しているのでございます。