2014
11.16

見上げれば冬の空なのでした。

東北の空は、ごくまれにヨーロッパの空の色になることがあります。だから東北は偉いのだと自慢したいのではありませぬ。

地形が似ているのか、乾燥しているためか、緯度が近いせいなのか、そういうことなのでございます。

「やっと思い出してくれた?」
なんて空がいうワケがございません。
そういうのは人間だけであります。

人間に臭いがあるように、空にも匂いがございます。

冬の空を仰いでいるのではなく、空の匂いを感じているのかもしれませぬ。

人相も、この人は悲しい運命を背負っていると感じても、よく観察しますと、頬骨や眼の下のホクロなどから、そういう運命を予言できるのでありまして、悲しい運命だと感じるのはいっしょですが、それは空の眺めと、空の匂いと同じことかもしれませんです。

これが一歩ずれるとボタンを掛け違ったようになるのであります。

不幸だと感じても、それは感じ方だけであり、実際はたいそうな資産家でけれどあるケースは、多々ございます。
けれど、「お金があっても不幸なんだよね」と感じているお金持ちも案外ごちゃっとおりますです。
「誰も信じられなくて、先行きが不安だし」と。

空を眺めると、あの日の空と同じだと思うことがございます。
実際は、同じ雲などあるわけはないのに。