2020
04.11

神社の境内の石畳に、瀕死の蝶が生にしがみついているのでございました。

春の陽気に、孵化する時期を間違えたのでございましょう。
踏みにじって楽にすることも出来たのでありますが、これも前世の報いかもしれないと、自然の成り行きにまかせることにいたしました。

外出の自粛が、夜の町の経営者の生活を逼迫しているとか、芸能人の先行きを不安にさせているなどの話題を耳目しておりますが、私メもいわば無頼の輩の一人でございます。

資格がある商売ではありませんから、国からの助けなど甘えた期待はできませぬ。
給料を得ていちおうの生活の保障のある勤め人とは、根本から異なるのであります。

いぜん、先輩から、
「オノ、さいてい二年分の生活費を蓄えておけ」
忠告してくれたお方は、すでに、この世の人ではございません。

「自由業ってのは、満足できる作品を完成させるために、長期間、収入なしで生活することがけっこうあるからな」

そして、付け加えて、
「あとは健康だな」

その言葉がしみじみと理解できるのでございます。

本日の十傳スクールは、完全なるリモート。
一人の部屋で講義し、ジョークを飛ばす、どこか空しさというか、スベった感はあるものの、予定まで進ませることができました。

なにしろ、中国人がもたらした新型肺炎に罹患してしまうと、数週間の隔離が待っております。これは致命的。
普通の勤め人以上の、配慮と注意と慎重さが求められるのであります。立場が違うのでございます。

ひごろから
「俺も自由業になってがっぽり儲けたい」
の話題になると、「いやいや、定額の収入というのはとても大切だよ」と心で訴えておりますけれど、やはり、このような事態になりますと、出歩いたり、みなさまを集めての講義には危機感がつきまといますです。

「出てきて、いっしょに仕事をしよう」
「なーに、平気だよ」
などの誘いを一切断っておるのでございます。

まじないを尽くし、病神を祓う秘術で防備し、生活の態度を用心する姿勢が必要と申せます。
それでも死病にかかったなら、それはそのときのこと、
地球が、自分を必要としないことを悟るしかございません。

足下の蝶は、ぴくりとも動かずに、じっと耐えております。

何のために?

明日も十傳スクール、完全リモート。

オープニングには、金持ち前夜祭Ⅱの編集画像を流しておりますです。

2020
04.10

雨の夜は、もんじゃ焼き。

ショウガもんじゃからスタートして、明太子もんじゃ。

煙にいぶされながら、しみじみとしたお味を楽しんでいるうちに、「不要不急」の、この数日間で、いままでのすべてが無駄だったことが分かってくるのでありました。

スポーツも、ジャニーズとかいう奴らも、威張り腐っていた歌舞伎の奴らも、またえらそーに政治を口をへの字にして論じ始めたお笑いの奴らも、すべては不要不急。いらない者どもであったということが明確に見えてくるのでありました。

中国ウィルスが下火になっても、もう出てこなくて良い不必要な者どもだと分かるのでありました。

TVもなくて結構、ライブも疲れるだけ。飲み屋にも行く気がうせ、家飲みの方がはるかに楽で楽しいのであります。
「よう、いっしょに飲もうぜ。家に来いよ」
お女性に声をかければOK。

洋服もいらない、車も不要、床屋もエステもすべて浪費。遊園地などにいってホントに楽しかったか。ゴルフもスキーも愚かしい行動。

バカバカしいことに時間と労力とお金を浪費していたことが、じつによくわかるのでございますです。

ウナギやお寿司や、そーいう自分では料理できないための支出なら、有意義かもしれません。
あとは、水と米と味噌があれば、そして安酒があれば十分。

なんのために定刻に出社し、残業したかも疑問。なにもかも無駄だったのであります。

また大切な人だとて、じつは誰もいなかったと悟ったりいたします。
どーせいつかは死ぬのですから。死という別れからは免れることは出来ないのでありますから。

となると、自分にとって大切なものは何かということになりますですね。

私メは占いでありますが、それらは個々に異なるかもしれません。
けれど5月6日までの人生の長期休暇を終えた時、
「何もしなかった」
必要なことすらなかったとションボリしそーであります。

ゲームにうつつを抜かして終わってしまいました……てなことも。

そーいう他人の作ったものに対する支出は、最終の消費財となり、収入の糧となることはなく、腹立たしさだけが残る結末になりますです。

占いとかのお勉強にかける労力は、やがて収入に直結する成長財となるのでございますです。

その点をしかと頭に入れると、ほれほれ、やるべきことが見えてはきますまいか。

2020
04.08

「やっているかな?」
毎年4月8日のお釈迦さまの誕生日、灌仏会には、自転車で、とあるお寺に詣でる習わしなのであります。
甘茶をいただき…そして裏のテントでお酒を、昨年は八杯もタダ酒いたしましたが、今年は…。
の心配がございました。

なにしろ外出禁止発令直後でございます。
官憲の目を盗むように、裏道を選んで、このお寺に辿り着いたのでございました。

「やっている!」
ちゃんとテントが張られて、サツマイモが焼かれる香ばしい薫りが漂っていたのでございます。

数人の老婆が列をつくって、時間をかけてなにやら拝んでいるのでありまして、「はやく、はやく」と心が急くのでございます。

このお寺はお金持ちの檀家さんがそろっているらしく、拝み終えると、お釈迦様の飴を配ってくれるのであります。

銀色のラップの中身がサツマイモ。
竹にはお酒が温められているのでございます。

ああ、昨年もいた老人が、最後の春をあそんでいるのでありました。おそらく来春は墓のなかでありましょう。図々しく生きているはずがありません。

今年はタダ酒、五杯で〆ましたです。
焼芋はお断りして、おつまみは柿の種。
五杯でもジワジワと効きはじめるのでございます。

「ことしは少ないねぇ」
私メを記憶してくれた係のオヤジが、もっとどうだいと竹の徳利を示してくれたのでありましたが、「いやいや」と紙コップを手で封をしてお断りいたしました。

例年ですと、盃も竹製なのでありました。やはり紙コップではお酒がすすみませぬ。

そのうちに酒好きどもが集まりはじめるのでございました。
話題は中国肺炎。
「生かしておかねぇぞ」
などオヤジどもが次々に白熱したのは、私メが、ひとこと、「中国人も酷いことをしてくれたものですね」と火種をつけたからでございます。すこしキムラ満夫になっているのかも。

まぁ、いずれにせよ、うららかな日で、花まつり日和なのでありました。

そーいえば、沢尻エリカどのも4月8日が誕生日だったのでは…。
酔っ払いはじめた意識で、オヤジどもの暴言をよそに、
「十傳スクールで占いを勉強したらイイのに」
などと白昼夢を描くのでございました。

ひょっとこ顔になっているのは、かんぜんに酩酊したからでありましょーか。

このあと私メは、ショッピングモールでアイスコーヒーを飲み、口に甘さをなおしたのでございました。

私メの緊急事態発令の一日目は、こーして過ぎていくのでありました。