2023
12.09

腐れ縁の男の訃報がメールで届きましたです。

誰でも腐れ縁という関係はお持ちだと思います。二、三人いるものです。

死んだのは、高校からの知り合いで、京都でも同じ大学でした。
岸田総理とそっくりの顔でありました。雰囲気も。

卒業した時に、京都で会おうと約束し、四月に会いいました。
と、岸田そっくりは、
「どないしてる?」
京都弁で聞くのです。
「なじょも、かじょもねべや」
方言で返しましたが、岸田そっくりは平気で、
「これから、飲まへんか?」と平気なのでありました。
「んだば、たつっとだけ」

腐れ縁というのは、大学を卒業し、東京に出てアルバイトをしていたのですが、いくどめかのアルバイトの先で、なんと偶然にも岸田そっくりが社員として働いていたのであります。こんなことってあるのかと、うわわっとゾゾッと血の引く思いでした。
岸田そっくりは、こんどは東京弁で、「キミィ、定職についたらどーなんだい」とキミ呼ばわりでした。
上司に対してひどいゴマすりで、同僚からは鼻つまみ者。

で、それから月日が流れ、50代になったとき、岸田そっくりの奥さんの姉と話す機会がありました。
彼女とは学生時代に数か月付き合ったことがあったのです。
「しってる?」
岸田そっくりは、その会社を辞めて、公務員になったそーであります。そして、大船渡の署長に栄転したということ。
ゴマすりだったからなぁ、懐かしく思った次第であります。

姉は、思い出し笑いをこらえて、
妹にねと、そこで言葉を切ると、聞いて聞いて、私メの腕をつつくのでした。
「妹にね、僕と結婚して良かっただろうって。ふつう言わないわよね」

岸田そっくりとは、会おうとすれば会えたのでしたが、集まりで、店に岸田そっくりが来ると聞くと、いそいそと帰宅しておりました。顔すらも見たくないのでありました。その点も岸田そっくりなのであります。はやく死ねば良いと思っておりました。

生年月日をきいてビックリ致しました。
従殺格。
四柱推命で特殊な格の下格。
弱さを愛されて出世するといわれている生年月日です。
「下格だからなぁ」
ちと、岸田そっくりとの腐れ縁を懐かしむのでありました。