11.27
ジャンパーのポケットに、このような小石がはいっておりました。
直径3センチほどの石灰岩です。
いつか海で拾ったものを、そのままにしていたのでありましょう。
私メは、このような蒐集癖があるのかもしれませんです。
城ケ島から持ち帰った巨石もそうでしたし…。
と、ここまで思い出してから、ハッとしてジャンパーのポケットをあらためて調べました。
ありました、ありました。
この小石を拾ったときに、その穴に挟まっていた豆石です。
おそらく小石のちょっとした窪みに豆石が挟まって、それが波のいたずらで、くるくる回転し、ヤスリのように小石に穴を開けたのでありましょう。
そうです。
岩陰で、たしかにこの豆石がまわっていたのを発見し、珍しいので拾ってきたわけです。
石灰岩ですから、穴が開くまで、そんなに日にちはかからなかったことでしょう。
男と女のようであります。
いやいや、穴にハマるという意味だけではなく、偶然のように異質なモノ同士が出会い、こすりあってお互いを受け入れるような体質に変わっていくということが、です。
「あなたとわたしは、ぜんぜん合わないと思うの」
という気持ちが、
「あなたとでないとダメかも知れない」
という心の変化は、男と女の間ではそんなに珍しいことではございません。
むしろ、
「わたし、最初のHでイケたのははじめてかも」
というほうが、マレでございましょう。
男と女は、付き合った時間じゃない、内容の問題だよ、なんてことを、どこかで聞いたことがありますが、しかし時間も重要であります。
この小石と豆石のように、お互いに異質で、心の隙間は最後までピッタリとは埋まらなくても、お互いに異質だと認め合いながら、それでも相性を育てていけるものであります。
Hも同様であります。
馴染むという感覚は愛に匹敵するものであります。
むろん、どーにもならない相手も存在いたしますけれど。
この小石と豆石は、今後、オノ家の家宝となるような気がいたしますです。