2019
10.19

「占い通り受かりましたぁ…」
と彼女からメールがあったのは、この卦を立てて三時間後でありました。

応爻の酉が彼女であります。子孫が付していますから、試験では、基本的に不可であります。空亡していますから、ちと諦め気分。

けれど、三爻の巳父母と、二爻の未の兄弟が同時に動き、火生土、土生金と「接続の相生」が働き、応爻の酉を生じています。

温情での合格でありましょうか。

ここて、注目したいのは、試験の用神の巳父母。
月建からも日晨からも生じられておらず、元神の卯官も日晨の未の、「日墓」に入っておりますから、巳の父母は力を失くしていると判断しがちであります。

が、父母の忌神の子の妻財は五爻に伏し、飛神に出たとしても日月からの剋を受けております。
ということは、たとえ巳の父母は、たとえ休囚していたとしても、生きているわけであります。

なので、「受かるよ」とメールしたのでありました。

しかし、「受かりました…」の「…」が気にかかりましたので、さらに問いましたら、
「実技は合格したけど、学科で落ちたとのこと」

これが卦が六冲卦に変わった意味でありましょう。

ちなみに、翌日、学科も見事、合格したのでございます。

2019
10.18

蘭の花が事務所にいるのであります。

まるで、富豪の国のお姫様が、間違えて迷い込んだかのよーであります。
バラの花とか百合の花であれば、貧乏事務所にもお似合いかもしれませぬが、花にも生まれつき高貴な花があるものだと、島流しになった王に付き従って、かよーなところに流れ着いたのかと、はらはらと涙をこぼすばかりであります。

蘭さんよ、ここが、この事務所がどのよーな場所なのかご存じか?

土日ともなれば、全国から、異様な方々が方術を学びにくる巣窟なのですぞ。
生まれ落ちた日時や、サイコロの目によって運命をはかり、乱世の方位術を用いて、わが身を開運させる、おそろしき場所。

いわば、非常識な方法によって、この世の上位に這い上るための秘術を会得する魔の巣窟なのでございるよ。

あなたのような高貴なお花が住むよーな場所ではござりませぬ。

それとも、あなたは天使として、この場所に降臨したのでしょうか?
方術によって導かれ、我々にしやわせを与えるために、もしや月の世界から御くだりあそばれましたか。

なんとなく、そう思うと、明日から運勢に輝きが加わるような気がいたします。
明日から、幸運の扉がみつかりそーな気がいたします。

今宵は、野蛮な炭鉱主が、似つかわしくない華麗なお女性を得たように、酒を片手に鑑賞することにいたしますです。

2019
10.16

試験に落ち続けていたお女性から、またしてもチャレンジするという連絡を受け、ひそかに神蓍を振り、断易の神様に、試験の合否を尋ねたのであります。

暌の二爻三爻が変わり、六冲卦の離が躍り出たのであります。

三回占いましたが、まるで合と冲の集中講義のような様相であります。

六冲卦は、バラバラになる。纏まらない。離れるという意味だということは、この断易宿題のシリーズで述べております。

ただ「離」はくっつくという意味もございます。離は火でありまして、火は何かにくっついて燃えるからであります。でも、これは断易的ではありませんから忘れてくださいまし。

△が応爻でありまして、試験を受けるお女性。酉の子孫で空亡。
子孫は、遊びの星でありまして、試験には適しません。
困りました。

〇は世爻で、この場合、学校を意味します。父母が付いています。

この世爻の巳の父母は日月の助けがございません。

さらに世爻の空亡は何を物語るのか。

彼女の合否やいかに。