2019
11.18
11.18
紅葉の最後の赤を残して、郷里のモリオカは冬を待っているのでありました。
庭師のはいった後のお庭は寂しい限りであります。先月、頼んだように植え込みを刈り込み、庭石を強調する庭には仕上げていたのでありますが、完璧なメイクのお女性のよーに取りつく島がございません。
そのうちに氷雨がしずかに庭を包み、私メも家の中の片づけを再開したのでございます。
すると、ふいに吐き気と眩暈に、たちあがれなくなったのです。
初めてであります、こんなになったのは。
おそらく寒さで血管が凝縮しているのに、力仕事を急にしたためでありましょう。
「やばい」
半身不随になるぞと、反射的に客間の中央で大の字になり、股間をおさえたのでした。
不気味にうねる天井を仰ぎつつ、お女性の裸身を思い描いたのでございます。
すると、
ムクッと反応がございましたです。
「これで、ひと安心」
やがて眩暈はおさまり、ムカムカも鎮まり、しかし大事を取り、愛車のシートにもたれ、座席の背中のヒーターをオン。
雨の底でしなびた落ち葉がわらっておりました。
私メも冬を待つ身の上かもしれませんです。
亀頭さまは「まだまだですよ」とは申しておりますけれど。