2020
06.19

カメ子がまた産卵したのであります。

記録を見ますと例年通り。
二回目の産卵を、夏至前後の二日間にすますのでありました。

そして三回目を7月の土用前に産卵して、あとは冬眠の準備としての食欲旺盛期に入るのであります。

この周期は恐ろしいほどの正確さなのであります。

人間は、暦やカレンダーを眺めて、
「ああ、そろそろ夏至かぁ」
これで季節を知るしかないのであります。
五感で季節を知る能力を、ほぼ完全に失ってしまっているのであります。

ペットのカメ子でさえ、これであります。
野生の動物のカンはいかばかりでしょう。

いや「カン」ではなく、当然の能力かもしれませぬ。

手のひらの神秘十字紋を眺めて、
「やはり自分は霊感の持ち主なのね」
の自慢は、他の動物に較べたら、「ばかでないの」と嘆息されるかもしれません。

しかし、今回のカメ子の卵は不完全なものでありました。

15個中、完全なものは2個。あとの13個は、画像のよう壊れていたのであります。
カルシウム不足かもしれない…。
市販の餌の表示を眺めるのでありました。

正常な卵を産んだとしても、無精卵ですから子亀が孵ることはないわけでして、つまり、どっちみちこの世には無関係な卵ですから正しい卵を産ませようとする工夫は無駄なのであります。

すると、カメ子の野生のカンもまた、無駄なのでありましょうか。

無駄、無駄、無駄という繰り返しが、人間の歴史に続けられ、
「カンより知性だべ」
こうして、ヒトから野生のカンが衰退していったのでしょーか。

占いのようなことを、
「迷信だ」
「いかがわしい、胡散臭い」
「非科学的なことを」
などと非難されても、なお没頭しているうちに、衰退したカンのほんのわずかを取り戻せることは確かであります。
一部の頑固な芸術家に野生のカンが、濃厚に残っていることも事実であります。