2011
03.15

P1010133無計画停電によって、茅ヶ崎の町は、まるで北欧のような白夜の様相であります。

自転車で町を一回りしましたが、まだ18時というのに人影はなく、明かりも絶えて、空ばかりがへんに薄明るいのです。

明るくも暗くもない、ああ、これが自然なのだと思いましたが、とても不自然なのでした。

誰か私を呼んでいるような気がするのですが、振り向くこともなく、それが錯覚にもならない期待だということは分かり切っておりますです。

そしてそれも過去に体験した期待の名残り。
ずいぶん前のことですが、そうですね、19才の頃だったでしょうか。
好きな女を探しながら、こんな白夜のような風景の郊外をさまよったことを思い出したのであります。
イヌに吠えられたりしましたですね。

語るべきにも値しない過去の思い出が、停電の町を廻っているうちによみがえるのですから、頭脳というのは不思議です。

きっと野生動物なども、このような感覚の記憶を有しているのでしょう。
嗅覚とか聴覚とか臭覚をもっと鍛えれば、あるいは野生動物のカンを備えられるかも知れませんですね。

さきほど…夜の11時あたりに地震があって、その直前に野鳥がいっせいに騒いだんですよ。
そのようなカンをなんとかして持ちたいものであります。

あの夜に捜し歩いた彼女も、いまは老いていることでしょう。
老いて孫でも抱きながら地震の報道を…いやまさか津波に呑まれたわけではないでしょう。
などと想像しても、もはや白夜をさまよう情熱はおきません。

ほんとうに起きないかと自分に問いますが、
「あのころは相手の迷惑を考えなかったからなぁ」
という答えが返ってくるばかり。

「オノくんの情熱は自分中心なんじゃない?」
これは彼女の友達からいわれた言葉であります。

発作時な情熱に見舞われるたびに、いつも心をきしませ続ける言葉なのでございます。

今年の夜空は星がきれいに眺められそうでありますかもです。

  1. アウトローでグレン隊の先生が・・・
    悲しみに 憔悴しきってる様で 
    調子狂っちゃいそうでした  
    又 気のパワー やられるのですか?
    弱ってる気じゃ 困るわ~
    我らが <アラ4熟女パワーの気> のほうが
    よっぽど 今の先生には よろしくてなあい? 
    えっ 変な気 起こしそうだって? あったぼうよ~爆!
    ここ最近 作りたいお料理があったけど 何もなかったから
    諦めてましたが 今日は人から聞いて走り回りました
    卵は八百屋さんで 牛乳は自販機で お豆腐と納豆はお豆腐屋さんで
    トイレットペーパーはお花の柄は諦めて 薬屋さんでGET!!
    こんなことで 感激してました ~
    ●十傳より→夜の白い空にすこし心をなごませたのでありました。

  2. 先生の記事にある、誰かが私を呼んでいるような気がするのですが‥という辺りから、どんどん引き込まれ不思議な気持ちになりましたです。
    先生が書かれた文面に、あたかもサルバドールダリの絵画を観ているかのように頭のなかにゆっくり渦を巻くような感覚で描かれてゆきました。
    先生があの文芸誌の愛読者に触れられて「‥読者は文字好きなんだろう‥」と推察され、活字に反応したり酔いしれるような感覚に着目なさっておられて、今し方この白夜の記事を読み改めてそのことも何故か、わかるような感じを覚えるのでありますです。
    ブログをつい寝るまえに覗いてしまいした‥!
    覗いてみて良かったです。あいにく大阪は今宵星は雲の上ですが、覗いてみたおかげで久しぶりに不可思議な夢が見れそうです。
    また「‥自己中心じゃないの?‥‥」‥と、そして発作的な情熱に見舞われるたびに‥、のくだりのところ辺りはジャン・ニコラ・アルチュール・ランボーのように感じるのでした。
    まさに夜の鳥など、自然を敏感に感じとる芸術肌の十傳先生ならではの記事でありますです。
    おやすみなさいませ。
    ●十傳より→褒められ慣れていませんので、お言葉、こそばゆい感じであります。
    が、ありがとうございますです。ありがたくちょうだいいたします。

  3. 情熱って、自分のモノなのだから、もともと自分中心なのではないかしら…。
    人生でそう多くの人を好きになれるわけではないし、
    情熱的に人を愛せる、そんな人間臭い先生が大好きです。
    大人になって、相手の迷惑や都合を考えられるようになって、情熱に任せて駆け出すことがなくなっただけで、
    先生の心の中には、静かで強い炎が変わらずあるのではないかと私は思います。
    新幹線で2時間の距離だから、仕事などで年2~3回しか行く機会がないって言ったら、
    「じゃあ、こちらからも年2~3回行きます」って言ってくれた人がいました。
    忘れられない言葉です。一時の情熱でも、嘘でも、ノリで言ったとしても、とても嬉しかった。「そしたら年6回くらい会えるね!」って。
    まぁ…先生が言うには、男は自分が言ったことは殆ど忘れているということですから、カメラのように覚えていてすみませんネ…ですが、
    とても嬉しかったから覚えているんです。
    もちろん、「来るって言ったじゃない!」なんて、責めるつもりは毛頭なく、
    そんなことを言ってくれてアリガトウ…って思うだけで、
    むしろ相手が覚えていたとしても、私の方が「そうだっけ?」って言うでしょう。
    来れるわけないって、最初から分かっていたから…。
    とにかく、
    情熱的な先生はカッコイイです。
    そして、「情熱なんて、そんなの、ないよ…」っていうポーズの先生も、また、イイ。
    もう、過去の言葉に心をきしませるのは、終わりにしてもいいんじゃないですか…?
    それこそ、言った本人は忘れていると思いますよ…。
    こんなに手放しに褒めるのは、最初で最後ですよ。
    私の本心なので、先生もいつもみたいに照れ隠しのようなへそ曲がりにならず、素直な気持ちで受け取って下さいね。
    停電の夜に、私も星を眺めてみます。
    いつもよりキレイで、苦すぎた恋も美しい思い出に変わるかも知れませんね…。

  4. 先生は、たくさんの恋を経験なさってるようで…
    私は旦那としかつき合わずに結婚しました。
    なので、いわゆる不倫とか遊びの経験ばかり増えるわけです。
    でも本当は一人だけ、ずっと信頼していくことができたらと思いつつ、儚く終わってしまうのですが…
    「恋をしている自分に恋しているんじゃないの」と彼に言われ、それに応えてくれたあなたは、恋してなかったの?と聞いてみたくなりました。
      ●十傳より→好きな人が一人だけでは不安ということもあるんです。それは不純かもしれませんけど、不純でも好きな人が何人かいたほうが安心。そういう気持ちを否定しなくてもいいとおもうのであります。30年後に後悔しない…どちらにしても後悔するのでしょうが、どちらの後悔を選ぶかが大切でありましょうです。

  5. 字数800字を超えていまして、返事ができませんでしたので、ここで。
    そうですね。恋ってヤツはオフザケから始まり、沈黙して、苦しくなって、そうやって深まるものでありましょう。
    そのバランスというものの大切さを考えさせられますですね。

  6. 今 私 まだ幸せですから 色々考えてしまいます
     これまで 生活をしていた 家、部屋、家具、モノ・・・
    を 一瞬にして失うなんて どんな気持ち? 勿論、被災者の皆さん
    命からがらだから「家も店も船も全部無くなったけど命が助かって良かった」
    と本心をお話されてます 
    私は 家や 家具や 衣類装飾品等 に依存しているのではないと思ってます
    私は そこで 過ごした<時間>や<思い出>や<自分がはぐくんできた気持ち>
    (そのプロセス)に執着します方です
    恋に例えるのは 気がひけますが 彼との
    心トキメク <恋に> 執着しますが それは
    決してその <彼に> 依存することではないと・・・
    一方的な思い 恋に恋する・・しないよりいいです(恋は)
    確かに自己中・自己満(それを言っちゃあ お終まいよ~)です 
    それが <無くなってしまう><失う><消え去る>ということは 
    ショックであり 重く 立ち直れない ほどだと思うのです
    それが私のいう「ずん!」なのです 
    喉からミゾオチにかけてくる深く重苦しい痛み 
    その後は ひとまず 不自由の無い住む場所が あてがわれるかもしれません
    もしかしたら 以前より いい条件の住居に 入れるかもしれません
    (そうあってほしい・・)どこにしても 時は 人を順応させることでしょう
    恋も怖いもので 時には立ち直れない人もいるはずです
    けれど あの時 あの場所で あの人と あの部屋で ・・・
    そんな かけがえのないひとときは もう二度とここにはないという現実、
    <喪失感>という<絶望>を味わった時に 生きてきた(恋してきた) 
    という辛いけど そんな実感を味わうことになるんだと思います
    情熱的であればあるほど  重ければ重いほどに・・。。
    ●十傳より→友と同時に思い出も失いましたであります。
     

  7. 本日、停電中はずーっと散歩しました。
    宵の口にさしかかる時
    車も人も通らない、
    家々からさえも何の明りも漏れ出ていない一角とであった。
    一瞬、現代の遺跡…いや、
    細菌兵器の攻撃を受けて死んでしまった街に
    一人取り残されて彷徨っている感覚に襲われた。
    結構キモ楽しかったです。
      ●十傳より→放課後に一人教室に取り残されたような感じでありますよね。