2011
03.26

 何か忘れているとおもったら、桜前線の報道ですよ。
例年なら、桜の話題で「ああ、ことしも春がきたんだなぁ」なんてしみじみかんじたりしていたのであります。

手帳を開くと、去年は4月1日に皇居の桜をみたと記されております。4月9日にも夜桜を見ています。

なので、まだまだ焦ることはないのでありますけれど、なんとなく今年は桜は咲かないような気もするのです。
いや、無情にも満開の桜が咲くことは間違いありません。
節電のためにライトアップされることもなく、桜にとっては心おきなく咲けることでありましょう。

3月25日の朝日新聞によると福島県の飯館村ではチェルノブイリの何倍かの放射能を観測したとかあるので、東京でも外出を控え、桜は誰に見られることもなくひっそりと静謐に花開きながらしずしずと散るのでありましょうか。

そうして桜前線は北上し、福島にも咲き…福島あたりの東北縦貫道の桜は見事なのであります…気仙沼、大船渡と被災地の山々を染めることになるのでありましょう。

まるで戦友の流れる血を止めることもできずうろたえる兵士ように、散りながら咲く桜の花を見守るしかないのであります。

その残酷なまでの贅沢さは罪悪感に似た気持ちをひきおこすことでありましょう。

もしも今年も満開の桜の下をそぞろ歩くことができたなら、きっとおもうでありましょう。
「なんという傲慢で幸せな時代を過ごしてきたことだろう」
と。
そして、こうもおもうかもしれません。
「幸せだったけれど、もうあの時代にはもどりたくない」
と。

若く希望に溢れてはいたけれど、なにひとつなし得たことのなかった20代の自分に戻りたくはないように。

  1. 全国的に有名な桜の名所の近くに住んでいます。GWに行ったところベスト10にもはいるくらいだから、あまりの渋滞に買い出しにもでられないくらい。更に農繁期だから、お花見どころではない。

    でも今年はどうなるでしょうか。

    小さな頃に親戚が集まってしたお花見のように、何も考えずに温かい日差しに包まれたいなと、思います

      ●十傳より→ははぁーん。あそこでありますね。岩手県側から向かっても大渋滞ですので、諦めて裏八幡平のコースに変更することにしておりますです。玉沢湖だったかは、隠れた名所でありますね。水の色があれほど緑色になる湖は他にありませんです。

  2. 先生ったら、田沢湖は日本一の深さで、隠れたではなく有名な観光地ですわよ。
    自殺の為に沈んだなら、なかなか浮かんでこないそうです。

    高原には先生の好きな混浴も!いつかご一緒したいものです。いやまだ混浴ヴァージンですけど(爆)

    ●十傳より→ほーらご存知ない。田沢湖ではなく。玉沢湖だったか玉川湖ざんすよ。八幡平アスピーテラインへつづく湖。去年とおったらレストハウスも潰れていやんした。混浴はしなびた乳房のお婆ちゃんだけではありませんですか。

  3. 玉川ダムの宝仙湖のことですね?
    混浴露天は私の知り合いの方が先生と同じ世代の美女を連れて回っているらしいですよ

    ●十傳より→それそれ、その宝仙湖。そこから尾去沢鉱山跡を経て、高速でモリオカへ戻るルートが好きなドライブコースであります。秋田側は心落ち着くスポットが多いのであります。

  4. 生まれて初めてのお花見が1987年の代々木公園。
    それまでお花見経験のなかったあたしは、いつもの休日同様徘徊するために渋谷へ行った。代々木公園で桜を目の当たりにして、自分一人で見るのは勿体無いという思いに駆られた。急いで当時中目黒に住んでいた彼に連絡した。待ち合わせ場所に現れた彼は、職場の人から貰ったという鱒の鮨のおむすびを持っていた。前日の大雨に因ってか、現在では想像も出来ないほどその時の代々木公園は人がまばらだった。手を伸ばせば届きそうな桜の樹の下でおむすびを食べ、ときに寝ころんで暖かで柔らかい陽光をふたりして浴びた。所どころに水溜りができていて、どの水溜りの中にも桜があった。桜、桜、桜…
    その後もいろんな花見を体験したけれど、現時点では1987年のお花見が最高であります。
    あたしは『あの時代にはもどりたくない』というよりも〈あの時はあの時で宜しゅうございました〉、『過去の最高を新たな最高で上書きして更新したい』という感覚に近いですね。
    して、今、あたしが夢見るお花見は…うふふ… でありまする。

     ●十傳より→たぶんこのたびの災害で文明が疲弊し、かわりに桜は絢爛と咲くような気もいたします。過去の更新も夢ではないかもです。花は年老いるほど美しく迫って見えるいう特徴もございますれば。余計なひと言でありました。

  5. 宝仙湖は玉川からの強酸性毒水が流れているので、あんな濃い青なのです。その毒水を田沢湖に流し込んで、クニマスを絶滅させてしまったのは、やっぱり政府の仕業
    国は国民を守る気なんかないのですね

     ●十傳より→国民というより、東北人を身捨てるという姿勢であるようでございますです。