2026
02.12
02.12
恋が相手への義務となったとき、人はガラスの向こうを眺めてしまうのであります。
本能という陽光を。
裏切りと承知のうえで、義務は、嘘や誤魔化しを生み、苦しみに悶え、けれど、いちど開け放った窓を閉じることが出来ないのであります。
この繰り返し。
神様まで創造した聡明な頭脳を持ちながら、ケダモノと同じ下半身を具備しているのが人間なのでございます。
長いこと占いを生業としていますと、頭脳と下半身がサーモスタットのよーに、離れたり一致したりする単純なよーで、喜びと憎しみ、悦楽と苦痛、希望と後悔などなどが手に取るよーに見えてまいります。
人間は、未来は分かりません。いや、未来という言葉を知っているだけに、分からぬ未来を畏怖するのでございます。
残酷な時間は、現在という一点の位置から未来へしか向かわぬ一方通行でございます。
「婆ぁ」「爺ぃ」
若い頃に放った様々な言葉は、老いた時、過去から復讐の木霊によーに飛んできますが、が、だからといって過去に縛られることはないはずであります。
30年ぶりに現れた昔の少女の鑑定でございました。
翳りが始まった肌が襟ぐりからのぞしていましたが、しかし、まだまだ恋愛可能でありました。
義務と本能のはざまで悶えているうちは、幸せなのであります。
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