2012
03.19

窓を開けると梅の花の香りがいたします。
なにも、こんなにも咲かなくたっていいのに…ともったいなく思うのであります。

春は来たようですが、不吉な出来事が続いておりますです。

震災で液状化の被害を受けた浦安で、地中深くコンクリートの杭を打ち込むのだとか。
地球は痛がるでありましょう。

東京スカイツリー。あんなに空に穴をほって良いモノでありましょうか。
空が痛がるでありましょう。

原発が再稼働の動き…。宇宙が悲鳴を上げるでありましょう。

おもえば、人間は自然の営みをぶっ壊してきたようであります。
震災も津波も、原発事故も、いやいや、少子化も、すべて一本の線でつながれているような気がしないでもございませんです。
地球は、自分のカラダを元に戻そうとして、動いたまでではないかと…。

人々が民主党に投票しましたけれど、その民主党が崩れかけると、こんどは橋下という者を賞賛し始めておりますです。

だいたいにして政治家を目指すという時点で、その者を信じてはならないのではないかと考えたりするのであります。

ところで少子化対策ってのは、スケベ心を高揚させるものかと思っていましたけれど、政治家たちの考えているのは生活の安定だとか、そんなピントの外れたことばかりでありますですね。

エロとギャンブルをもっと推奨すればいいのであります。
株の取引を正しいとするからダメなのであります。
ギャンブルには、信用取引などというものはございません。
賭けたお金の分配からはみ出すことはないのであります。

信用取引を採用したものだから、架空のお金が生じ、それによって経済の破たんが発生したのでありますです。

人間の最大の楽しみであるセックス。
セックスに至るまでの恋という麻薬。

寒くても時がいたれば季節の花は咲くではございませんか。

科学や文化は、地球にとっては害毒なのかもしれませんですね。

5月の皆既日食をスカイツリーで見ようとする愚か者がいるでありましょう。
時間帯が合うのかどうかは分かりませんけれど、考えるだけでウンザリしてしまうのでございますです。

我々の老後のために子供を増やそうとする考え方にもウンザリであります。
自分の始末は自分でつけますです。

植物を学び、苦しまずにあの世に脱出できる毒草を採取しておく必要があるようでありますよ。

2012
03.18

雨の夜、人の賑わいが恋しくて、回転寿司に行ったのでございます。
スシローは満員で駐車場にも入れず、なので、くら寿司へ。

いやはや、驚きましたでございます。
カプセルにお寿司が入っていて、それを取り出すために、女の子の店員の前で練習させられ、けれど、これがけっこう難しく、手間取っているうちに、ベルトコンベアの上の寿司が、となりのカップルの方まで運ばれてしまいますから、もう腰を浮かせて取る始末。

さらに、喰い終えた皿を、カウンター奥の投入口に落とし込むのであります。すると画面に皿の数がカウントされるのでありました。

なんだか、まるで台所の流しで喰っているような感じでありました。

しばらくして環境に慣れた頃、ふと、向かいの親子に視線が飛んだのでございますです。
幼児二人連れのカカさまでした。
化粧っ気なしのどうでもいい服をきたおカカさま。30代頃かと思いましたが、たぶん20代後半でございましょう。

このカカさま、箸の使い方がきわめてメチャクチャなのです。
グーにした手に箸をつっこんだような持ち方。

ふーむ、これはいかん!
と思いましたが、だまって眺めるばかり。

こんな箸の持ち方をしていては亭主は偉くなれませんぞ。

「いいのよ、ほっといてちょうだい、どうせダンナは出世なんてできないんたから」
と心の声が返って参りました。

お女性には耳に痛い言葉かもしれませんけれど、亭主の運勢というものは、おカカさま次第なのでありますですよ。

占いでも、鼻の高い奥方をもつ男は出世すると記されておりますです。
お育ちとかういうことではありませぬ。
鼻が低くたって、気品ある奥方は、亭主を、いやいや付き合っている男に良い運勢を与えるものでございますです。

私メは、一人のうら若きお女性をアシスタントにしたことがございますです。
この子が、また作法知らずの野性児でありまして、二年ほどかけてマイ・フェアー・レディを施したのでございます。
最初は反発を食らいましたが、やがて彼女の運勢が上昇するにつれて、素直にマナーを学ぶようになったのでございます。

現在、彼女は学者先生の奥方でありますです。

蛇足でありますが、私メの手作りの「奇門遁甲カレンダー」の時盤も忠実に守っておりまして、結婚前にはすでに世田谷にマンションを現金で購入するほどに実力をつけていたのでありました。

とにかく、お女性のマナーや気品は、とても重要でありますです。
自分には関係ないと思っても、美術工芸、あるいはお芝居などを見て、アカデミックな知識を身につけることは、まわりまわって幸運への条件となるものであります。

向かいのおカカさまは、「こらこら、ダメでしょう、そんなことしては!」と子供たちの態度を叱っておりましたが、その箸の持ち方のまま、なんと器用に寿司をつまんでは醤油にひたし、口へと運んでいたのでありました。

亭主どの、これはいくら働いても暮らしは良くなりませぬぞ、と見知らぬ夫殿に無言の声をかけたのであります。
「ちょとちょっと、そこのジジイ、お節介は焼かないでくださいね。お願いしますよ」
またしても、おカカどのの心の声が聞こえてまいったのでござますです。

2012
03.17

想い出の写真の一枚でありますです。

ムッシュー・オノは右から2番目。
テレビで、占い師を招き、ヘンな当てモノをさせていたのでありました。

正式ではありませんが、銀座ジプシー事務所が、占いプロダクションになり、テレビの出演要請を受けており、私メもそのなかの一人ということになっていたのでありますです。

どのようなパフォーマンスを、どの占い師にさせたら面白かろうかと、アイディアなどをひねっていた頃でありました。

私メのイデタチは、「眠れる森の美女」の魔女からイメージしたものであります。
銀座ジプシーのマントの寸法にしたのでありましたが、出演前夜に、「私は同じでは困ーる」と電話がきまして、慌てて一部を変えた記憶がございますです。

が、突然に、その事務所から放り出され、途方にくれたのでありました。
毎土、日曜日に厚木パルコで占い鑑定をしていた仕事もすべて奪われまして、月々10万円ほどの収入がパー。

「どーするべか」
絶望にくれたのでありますです。
「このままでは引き下がれぬ。絶対に引きさがれぬぞ!」
と、悔しさと不安に負けまいと、拳を高く差し上げても、どこでどうしたらいいのか皆目、あてもなく、完全に未来を失ったのでございました。

御覧くださいまし。
この不気味な目つきを。

「アメリカに行くしかない!」
と腹を決めた時の1枚でございますです。
「ニューヨークのど真ん中で、『腹切り占い』をするのだ!」と。

ハラキリ占いとは、一文字占いのことであります。
「一」を書かせて、その文字のかすれ具合やクセによって占うものでして、私メは、自分の腹に半紙を巻き付け、朱墨をもって気合いとともにいっきに腹に一文字を書くというアイディア。
赤い朱墨が血となり、外人にすれば、
「オオッ、ハラキリですね」
と強烈なインパクトになると見たのでありますです。

摩天楼のど真ん中で、運命の逆転勝利の、起死回生の大ダイホームランを狙うしか、もはや策は尽きていたのでありました。
勉強の英語はダメですが、京都で外人相手に清水焼の叩き売りをした経験がありましたから、何とかなるだろうと考えていたのでございます。

が、運命はそれを許さなかったようであります。

その頃、事務所をクビになる半年ほど前から「ムッシュー通信」なるものを、月一で出しておりまして、むろんワープロ作りで、発行部数は100未満。
それを知り合いになった人に片っ端から送っていたのであります。
「そんなことをして得になるの?」
などと同業者から冷笑されておりましたが、それが役に立ったのですから運命はどう転がるかわかりませぬ。

あるフリーのライターさんが「面白いからKKベストセラーの編集の人に見せたのよ。今度の飲み会に連れていくからね」ということになり、そこから出版社との、溺れる者ワラをも掴まん、というつながりが芽生えたのでありました。