2021
11.17

師匠の鷲尾先生は、
「断易は、柔軟な頭がとても大切です」
と、よく仰っておりました。
では、柔軟な頭とは、どーいうことなのかと尋ねると、
「地山謙は男。天沢履は女。こういう見方ですよ」
ニヤリとするのでした。

画像の卦を、この柔軟な頭というヤツで解いていきたいと思います。
柔軟な頭だからといって、断易の原理原則を無視してはダメだというのは言うまでもございません。

じつはこの卦は受講生のお方が出したものでございます。

「数日前から、胃がむかむかして…」
と、言われたので、
「ご自分で、易を立て、『その原因』を探ってみては」

しかし、解けないとのこと。
「てっきり官鬼が、胃の場所を現わす4爻にくるものと思っていましたが…。才能がないのでしょーか」

いえいえ、才能がないどころか、2爻の官鬼が日晨を持ち、旺相の月合までしているではございませんか。具合の悪さが如実に示されておりますです。
が、胃が変だから、いつもいつも4爻に官鬼が出るとは限らないのです。
「ここは柔軟に」
そこまで喋ったとき、鷲尾先生が降臨したみたいでありました。まさかね。

胃がムカムカしている『原因』ですから、官鬼の元神を見るのが正しいのです。

5爻の亥の妻財に原因があるよーです。
旺相し月建を持ち、日晨と合。強すぎます。そして空亡。なにか消化の悪いものを食べたよーでございます。

さらに、初爻にも子の妻財が卦身を持して旺相しております。鍵は初爻です。
この初爻は陽爻であります。

初爻だけが陽爻で、2爻から上爻までが陰爻。これが地来復の卦。6合卦であります。

「ウンコが詰っていますね」
全体を腸とすれば、初爻でストップし糞詰まりを起こしている模様。6合卦が、まさにそれであります。
初爻が動きさえすれば、卦は坤為地の6冲卦となり「合処冲」。ウンコが出るのであります。

「たしかに…。出ていません」とのこと。
午日がくれば子を冲し、ドサッと大量に出るはずであります。

断易は正確に、その原因を告げていたのであります。
あとは基本に忠実な知識と、柔軟な思考力があればイイのであります。

「ニンニク料理が悪かったのでしょーか」
糞詰まりのお方がため息をつきました。

5爻の亥には玄武がつきます。亥+玄は、大蒜の「蒜」の文字に似てないこともない…いやいや、これは考すぎの手前味噌でございましょー。