2023
03.25

東京から三週間、花の季節が遅いモリオカは、いま福寿草の黄色が花開いたのでございます。

こちらにおりますと、完全に曜日の感覚が麻痺してしまいます。
なんとかスクールの新しい講座に必要なテキストを持ってまいりましたので、連絡のあった受講者の方々に、レターパックライトにてお送りはしておるのですが、それすらやっとのことでございます。

そうそう、忘れないうちに言っておかないといけませんでした。
4月から開講するYouTube版の「断易初等科」のことです。
断易初等科は、A、B、Cの三部構成になっております。
Aは、入門でありまして、徹底して卦の構成を覚えていただきます。初学者は避けては通れないコースであります。
BとCは、ググッと内容に入ります。
「断易講義草案」がBのテキスト。
「断易における用語の解説」がCのテキスト。

それでですね。
以前、断易初等科を受けた方で、Bからもういちどお勉強したいお方がいたなら、OKですよ。
ということです。
断易Bは10月から始まりますです。

あとはですね。
四柱推命卒論科ですが、これは7月で一巡して終了いたします。
一巡というのは、甲日生まれ寅月から、癸生まれ丑月までの120か月であります。
そして、8月から甲日生まれ寅月からスタートいたします。

現在、四柱推命接続科を受講している方でも、四柱推命卒論科を受講可能ですよ、ということでございます。

回りくどくてすみませんです。
一応、頭の隅にでもおいていただければと思います。

とにかく、こちらにいると行動も思考も鈍くなるのであります。
月に1週間ほど滞在しますから、計算すると年に12週間。
ということは3か月。
ほほう、1年の4分の一はモリオカにいるということになるのであります。

2023
03.24

実家の入り口に、画像の手袋が落ちておりました。
ふつうなら「誰かが落としたのであろー」と通り過ぎるところであります。

が、私メは奇門遁甲の術師でございます。
「むっ、こ、これは…」
ただことではない、ドロボーの前触れだと直感したのでございます。

もう20年度前、神保町の雑居ビルのペントハウスに事務所があったときのことでございます。ビルの入り口に、やはり手袋が落ちておりました。
手袋はドロボーさんが泥棒しやすくする呪いなのであります。
不動産屋に注意しましたが、アハハと嗤わただけ。
しかし、三日ほどのちに、私の事務所を除き、一階から六階のすべての部屋がトロボーさんに荒らされたのでございました。
警察どもに、やたらと疑われたのは申すまでもございませんです。

じつは手袋は本当の呪いのセレモニーなのであります。
じっさいは、大きな屋敷を狙う時、事前に、塀の外側の東西南北にドロボーさんの大便を置き、そのうえに手袋を置くことが本当の術法なのであります。こうすることで、番犬を手なずけることが出来るのであります。

こうした知識と実体験がございましたから、
「由々しき事である」
と直感した次第でありました。

防犯は、まずは完璧に近いのでありますが、油断はできません。
「あんや、だれかが落とした手袋だえんちぇ」
世間知らずの老母に言っても無駄でございます。

「ではーー」
私メは手袋を拾い上げ、近所の亡叔父の家の門前に移したのでございました。
移動して果たしてドロボーさんが叔父の家に押し入るのか。
そこが知りたいのであります。
この父の弟は、いずれ家系図から抹消する予定でおります。
私メに逆らい、私メの土地家屋を手に入れよーと画策した叔父だったからであります。いまではその老妻と息子夫婦親子が住んでいる模様ですが、根絶やしにしなくてはならぬと考えておりましたから、実験にはちょうど良いのであります。
血族だとて容赦はいたしませんです。
「ドロボーさん、この家なら盗むだけでなく燃やしてもかまいませぬぞ」

さーてどーなるやら。
ワクワクものでございますです。

2023
03.23

このところの暑さで、陽だまりにバッケが狂い咲きしておりました。
やわらかい土をもりあげて顔をのぞかせる蕾が極上なのであります。

つぼみの何が極上かと申しますと、バッケ味噌なのであります。
そのまま炒めても大丈夫。

が、花がひらいてしまったバッケは、いちど湯がかなければなりません。

しかし、極上のバッケはなかなか見つけられませんでした。
と、いうことは、寒さのぶり返しがくることを植物どもは察知しているのかも。

とりあえず、今年の春の初物として、笠のひらいたバッケで我慢することにいたしましたです。

バッケを細かくきざみ、沸騰したお湯に投入。
するとバッケが、それは美しい黄緑色に透きとおる一瞬が30秒ぐらいでまいります。
それはヤンキーの姉さまが、男にマジ惚れするさまに似ております。
逆立っていた陰毛がキレイにそろい、背中の毛も消えるよーに。
さて、そこですぐさま火を止め、冷水へ。
これでエグミは取り除かれますです。

スーパーなどで市販されているバッケの多くはハウス産だと思われますので、この過程は不要であります。
だいたいにして春の野草は、鳥や昆虫に食われることへの対処としてエグミがキツイのであります。
ハウス産の野草はまるで素直。下手な嘘つきでございます。
世間知らずのお嬢様が男に食われるが如しでございましょーか。

私メは、どちらかというとエグミがある方が好み…いやいや、どちらでもまた味わい深いのでありますが。

あとは味噌と砂糖と、お酒と味醂で味をととのえるだけであります。

調理したてのバッケ味噌を熱いご飯にのせると春の香りが口いっぱいに広がるのであります。
ほろ苦さとともに。

そのほろ苦さとともに脳裏を、かつてのお女性たちの若き姿が走り去るのでございました。
春雨が、ガラス窓をしずかに濡らしているのでありました。