2017
08.17

お女性といると時計はいりません。暗闇でも、時間が分かるのでございます。

いままで、やわらかな背中の背骨が触れている指先で向きを変えるよーになったなら、
「もう帰る時間です」の合図なのでございます。

背骨から左右に広がる骨たちが、飛び立つ直前に翼をひろげる鳥のように、反り返るのであります。

「そんな時間か」
「そんな時間です」

けれど、帰らなくちゃと、口にしながら背中の骨々が内側にやすんでいるときは、その言葉は戯れで、帰るなよと抱きしめられたいのかもしれません。あるいは別のことをしたいときなのかもしれません。

背中にふれながら、彼女の誕生日を不意につぶやくと、その背中の筋が緊張することも知られざる事実。

「昨日、焼肉を食ったな」「誰に抱かれた?」「ケンカしたのだろう」「嘘をつくなよ」「まだ飲み足りていないよーだな」「腹がへったのか」

それらの答えをすべて、お女性は背中で打ち明けているのでございます。

どこかに飛び立ちたいよー……!

その声が背中に集まって、そこから手のひらを通じて聞こえてくることもございます。

指先の指紋のひとつひとつを震わすよーに語るお女性の反応に対する言葉を、たとえば西洋の古い街並みや、冬でも凍らない湖の青さや、郷里の大地の岩の熱さなどから拾い集めて言葉にしても、それは陳腐であります。肌から感じたことは、肌で返すのが礼儀なのでありましょう。が、それでも言葉で押し返す男のマヌケさ。

老いてもマヌケさはかわりませぬが、すこしはハートで対応できるよーになっただろうとはおもうのでございます。

夏が崩れております。
夜風に秋を感じると、お女性の心にさざ波が立つのでありましょーか。

コルクを開けると、スパークリングワインが音をたてて白く泡立つよーに、お女性の肩甲骨は、季節に反応もいたしますです。

ああ、いたい、痛いけれど気持ちがいい…。

お女性の背中の骨と骨の間に中指をたて、背中の調べを読み解いていると、断易の解読をしているみたいな気持ちにさせられるのでございました。

2017
08.16

雨の日の打ち合わせでありました。

まれに見る美人編集者がお出でになり、人相についてのあれこれを。

そして「見本誌は最新号はこれしかなくて…」
「いやいや、これがイイのです」

SEX特集のヤツは多くは好評らしいのでありましたが、たまに「破廉恥な内容なので、これからは買いません!」とクレームもくるとか。
「そういう方は、でもすべての記事をご覧になったり、付録のDVDも隅からまで見てくださっています」
とのこと。

当ブログもたまにグロを入れても、やはりイイのだと安心したのでございました。

打ち合わせの内容は、ananですから、恋のお話がメインとなるのでございます。「本能的な愛情表現しかできないお女性が、どうしたら将来を見据えた付き合いが出来るよーになるのか?」とか。
なかなか難解であります。
本能的な愛情表現で別にイイと思っているからでございましょーか。

つまるところ、思いやりに行きつくのかもしれませぬ。
相手の身も心も気持ちよくさせることが究極であり、「あー、美味しかった、また食いたい」と中毒にさせること以外に、濁情を持続させる手立てはないのでありますです。
遊びから離れた関係は、「遊びでない真実が欲しい」と求めても、その真実から離れていってしまうのでありましょう。

自分だけ手を汚さずに、幸運を勝ち取りたいと吉方位ばかりを選ぶよーな具合になるのであります。
汚れて不幸になる覚悟も、たまには必要であり、反対に、一度ぐらいは鬼になって相手を捨てる残酷さも許されるのでございましょう。

男と女。
幸福の原点であり、不幸の原点とも言えるのでありますです。

2017
08.15

関東は不意打ちのように涼しくなり(私メにとってはまだまだ猛暑ではございますが)、雨の日が続くよーになりましたです。

お盆休みで海水浴を予定されていたお方は残念でございました。

そして、本日は終戦記念日。が、ここを刺激しては暴言にとられるブログになりますので、意識して触れませんです。

そう、夏の蟹を食べたのであります。
これが元気のもとになるのでありました。

お女性の太もものよーな脚をもぎとってハサミを入れ、中身の白い身を食う沈黙の味わい。

すると、これまた不意打ちの如く、旅情に駆られるのでございました。

神戸でスクールを終え、上りの新幹線を待つ間、「九州に行こうか…!」の衝動が渦巻くことがございます。
「いやいや、明後日は神楽坂でスクールがある」
と自制し、東京行きに乗り込むのでありますが、その衝動を思い出しつつ、蟹の身を賞味するのでありました。

秋の気配が忍び寄ると、烈火の季節に揮発していた色々な想いが、ふたたび現実的な重力をともなって色彩がよみがえるのでございます。

「あれももこれもしなくてはならないぞ」
という想いであります。

それはサボっていた濁情も含まれるのはもちろんのこと。

9月、10月、11月、12月と、最高の季節が帰ってまいります。

貪られる蟹を貪る私メ。
断易、四柱推命、奇門遁甲、そして、お女性。
これが私メの興味のすべてでございまして、まことに単純。

蟹に生まれなくて良かったと、まことに感謝しておりますです、神様に。
となると、他人にどのよーに批難されよーとも、恐れるものはなにもないのでございます。

いざ、秋の季節に! なのでありました。