2013
07.19

画像だけで残念でありますが、今年初めての蝉しぐれでありました。
庭園は、静まり返り、ただ蝉だけが夏を焦がしているのでございますです。

自転車のかごに、氷をたくさんにつめたはずのペットボトルは、氷がとけて、私メの口から喉をつたい鎖骨へとしたたるのであります。シャツの襟が濡れてひゃっこくなりました。

幼い頃に、母と墓参りをした夏の日を思い出すのでありました。
やはり、木漏れ日が道をだんだら模様にそめ、その影をひろうように歩いたのでありました。
トラックが土ぼこりをまきあげて追い抜き、たしか川沿いの道だったのかもしれません。
「おじさん喜ぶよ、よぐ来た、よぐ来たって」
「死んだのに分がるえんか?」
「心は生きてで見守ってけでるんだよん」
「…もはみうみチャンたぢ着いてるかな、お墓に」
そんな会話をしながら、やはり蝉しぐれがわれわれを包んでいたような気がいたしますです。

最近は、モリオカでは蝉の鳴き声がほとんど聞かれず、むしろ茅ケ崎や藤沢や鎌倉の方が、自然は残されているのでございます。

PCだのスマホだのという、急速に時代に君臨している主から逃れて、むかしながらの道を歩くのは、心が安らぐものでありますです。

そうして、魚屋をのぞき、太刀魚のイイ奴がありましたから買い求め、あとは、心をときめかせるようなお女性に遭遇しないように願いながら帰るのでありました。

2013
07.18

浜は夏でありました。

4月あたりからはじめていた単行本の原稿が終了したので浜に出たのです。

誰もおりませぬ。
陽光だけが、あまねく照らしておるばかりであります。
「エロ本を読みたい!」
解放感の底から湧きあがるのは、この渇望でございました。

こまごました作業は山ほど残ってはおりますが、しかし、これで9月11日だったかの発売に間にあうようでございます。
いまだ誰もが手をつけていない「奇門遁甲入門」の本格版でございますです。
しかし、いまは
「エロ本だ!」
なのでありますです。

十傳スクールを始めるにあたり、貴重なエロ本まで処分した愚かさが悔やまれますです。

海岸の無数の石ころは、それぞれに熱く、波に洗われても、すぐに焼けるのでございます。

どこかに行きたいものだと、いままで集中していた頭が、カクカクと崩れていくのを覚えつつ、さらなる解放を求めているようでありました。

こう言うときは危険であります。
自宅で泥酔するのが賢明であることは、数々の失敗の経験から学び取っておるのでございます。

人を害する秘伝まで、その本に詳しく載せてございます。
狙った相手を落とす方法も万歳。
もちろん、頭のよくなる方位なども書かれていますが、そういう悪魔的な本を作るためこの数カ月は、意識的に悪者になっていましたから、ちょっとは善人になることにも飢えているようでありました。

私メが死んだあとのような光景だと気づきました。
どの光景にも、自分という存在を、自分が直接見ることはできませんから、すべての光景は、自分が死んだあとの光景でありましょう。

人は、つねに自分の死後の世界を見ているのでございましょうか。

頭が狂い始めたようであります。

やはりエロ本が必要かもしれませんですね。

2013
07.17

いかほど時を巻き戻せばいいのかと、気が遠くなることがございますです。
「どうして、こうなったのか…」
過去のメール履歴を読み返しても、良く分からなくなることがあるのであります。

恋愛において、別れを前提の付き合いだったとしても、ならば、その関係を存分に楽しめばイイのでありますが、ある時点から風向きが変わるように、イヤな雰囲気になることがございます。

そうなると手の打ちようもございませぬ。
言葉も何も通じませんから沈黙すると、その沈黙がさらなる誤解を呼ぶことになるのであります。

つまり、それが関係の終息を物語るものでありましよう。

理由などは単なる口実にすぎませぬ。

だから、
「原因はいつからなのか」
と調べたくなるのであります。

別れを前提に…という、そもそもの出だしに問題があるのかもしれませぬ。

そして、形はどうあれ、終息もまた、工程のひとつ。

「愛したことが一度でもある?」
と、お女性はきまって申されますです。
「ある」と答えれば「いつ、嘘でしよう」と否定され、「ない」と答えれば「ほらね」と歪んだ表情をなされます。
つまり、愛したことはないという答えしか受け入れないように心の準備をしているのかもです。

花が花であるうちに雌蕊を味わいたいのが男なら、お女性は花は実をつける通過点と認識しているのかもしれませぬ。
「何が?」
「何ってなにが?」
「いつも主語を言わないのね」

「いつからなのか」
と振り返ることと、戻りたいと言う気持ちには差異があることも事実でございます。

会えない時間に愛は育つのさ♪と郷ヘロミツは歌っておりましたが、逢わない時間に愛は滅ぶのさ♪もた真実でございます。

いやいや、さいきんメールでの口論やトラブルが多発しておるのであります。
殺人まで発展することもございます。
気持ちはメールでは曲がって伝わりますです。
直接に会話しても、心を通じさせることは難しいのでありますから。

ご用心、ご用心てございますよ。