01.16
(仮稼働中)
湖面は凍てつき、とおくから讃美歌が切れ切れに届くのでありました。
もう池を一周するような気力はくじけております。
暖かなものにすがりつきたいのであります。
太った女の胸に冷えた手をはさんで温めてもらいたい気分なのであります。
いや手は皮手袋のおかげでぬくんでおるのです。つまり比喩なのであります。
そこには美味い鍋焼きうどんがございます。
画像は老母がうどんをとり分けているところ。
ここの鍋焼きうどんは、食っている間にうどんが程良く太くなるように計算しております。
五臓六腑に沁みわたる美味さなのであります。
鍋にじかに箸を入れて食うのであります。
背筋は美味さに比例して溶けるよう曲がるのでございます。
「めめめめめめめ」
と老母は連呼いたしておりました。
「ウメェ」の連続省略形で、東北ではよく用いられる感嘆符でございます。
ちなみに激しい同意は「だだだだだだだ」であります。原形は「んだ」。それの連続省略形でございます。
が、あまりに「めめめめめめ」過ぎて、途中、仙北町の生協に顔を青ざめさせて立ち寄り、便所の藻屑と化したのであります。
東北新幹線の座席が取れたので、先日調布パルコで買った文庫本を読みつつ、モリオカへと向かったのでありました。
ふと目を上げますと、
「おおっ!」
一面の銀世界であります。
それから、しばらく、うとうとすると、もうモリオカに到着。
それほど寒いとは感じませんが、気温は氷点下。
寒さにもいろんな種類があり、地域ごとに寒さの性格が異なるんですね。
茅ヶ崎の方が耐えられない寒さだったような気がいたします。
自宅の積雪もかなりのものでありました。
これほどの降雪は五六年前に父が死んだ年ぐらいでありましょうか。
雪に包まれているために寒さはあまり感じられないのかもしれません。
さて、そんなことはどーでもいいのであります。
今夜からのモリオカの歓楽街通いが楽しみなのであります。
凍結した路面で転倒しないことだけを注意したいと思います。
じゃあ、あとは何にも注意しなくてもいいの?
と訊きたくなりますですか?
いいのです。なんにも注意する必要はありません。いや、注意してはいけないのであります。
ほれほれほれ、このように心は常軌を逸脱し、浮かれに浮かれ、日没を待っている状態でございます。