2012
02.10
02.10
打ち合わせの場所に向かっておるのです。
新宿でございます。
ドタマが、なかなか戻らず、この二日間、ミスの連続であります。
送ったと思っていた原稿のデータが未送信で、最速の電話がかかってきたり、福本銭を別の人に送付するように指示したり、買った本をレジに置き忘れるなど、さてさてついに脳軟化症におかされているような、そのようなおぼつかない状態なのであります。
秋あたりに出す予定の単行本の打ち合わせなのでありましたが、アイディアは湧くものの、わずか30分もたたないうちに、どんなアイディアだったのか忘れてしまう有様でありました。
頭を巻き戻すために、食堂にはいりまして、注文したのがオムレツ。
やわらかな卵料理は脳みそによさそうなのであります。
でも、ほらほら、ここでも途中まで食ってしまってから、
「ありゃ、写すのをわすれていた!」
という具合なのでありました。
これは本当に困った事態なのであります。
40台前半の頃にインポになったことがございました。
三か月ほどでしたが、その時の絶望感に匹敵するのでございます。
「とうとう老人になってしまったのか…」
その時も、そう思いました。
インポが回復したのは、エアコンの故障がきっかけでした。
季節は真夏。
二日ほど全身汗まみれになっていましたら、ふいに股間で目覚めるものがあったのであります。
それは微弱でありましたが、忘れていた充実感だったのでありました。
鉛筆ほどの太さでございました。
つくしんぼうが頑張って咲いているような、そんな風情でありました。
日を追うごとに回復し、まずまずの太さに戻ったわけであります。
このたびのボケは、どうやったら治るのか。
治らないかもしれないとため息をしつつ、残ったオムライスを平らげたのでございました。