2013
06.24

午前中のことでありました。
カラスが自転車に止まっているのでありました。
近づいても逃げようといたしませぬ。

どこかのジジ殿が、
「あれれ、どーなっちゃったの。好かれたの」
と声をかけたら、カラスはゲゲェ!どす黒い声で威嚇するのでございます。
が、私メに視線を戻すと、小首を傾げたりして、妙にフレンドリーでございますです。
「好かれたのか、なめられてんのだか…」
とジジ殿に返事をしようとしましたら、ジジ殿はもういないのでありました。

チリリンとベルを鳴らしたところ、カラスはコココとなかなか美声で返してくるではありませぬか。
これは、何かの使いではあないかと思ったほどであります。

ずっと昔、実家で、客さんが突然死したことがあり、その朝に、カラスが屋根の上を三回ほど旋回したと叔母が興奮して語っておりました。
が、その叔母は作り話が上手かったので真偽のほどは分かりませぬ。

しばらくカラスを撮影したり、テレパシーなどを試みたのでありますです。

そうして、「おれはもは行くよ」と、自転車のペダルをこいだのであります。

そしたらばでございます。

バサバサと羽音をならして、カラスが付いてくるではありませぬか。それも私メの頭上五センチほどのところを。
髪の毛が羽根で煽られるのでありました。

と思うと、急旋回して、電線の高さまで飛翔したかとおもうと、ふたたび私メの肩先をかすめるのでありました。

魔術師にでもなった心地でございます。
ソレを見て、捻挫したのか、キブスで足を固定した中学生くらいの女の子が、ワッと騒いでおりました。

が、コンビニに入っても待っててくれているかと期待したのに、カラスはもういなくなっておりました。

吉祥と受け止めた次第でありますです。

オマケ*さきほど、といっても夕刻でありますが、先ほどのカラスなのでありましょうか。部屋の外でガァガァと甘えた声で鳴いているのであります。ロメオと外に出ましたけれど、姿は見えませぬ。鳴き声ばかりが響いているのでありました。