05.22
高階貴子という才女の歌であります。
ーー忘れじの行く末まではかたければ
今日をかぎりの命ともがなーー
『忘れないと言ったくれたあなたの言葉が一変わるとも分かりません。幸せなおもいに包まれているうちに死んでしまいたい』
これが一般的な訳であります。
この歌は、貴子がプレイボーイの藤原道隆と付き合い始めた頃のものであります。藤原の道隆はいろいろと女の噂があったので貴子としても気が気ではなかったのでありましょう。
が、二人は結婚するわけでめでたしめでたしなのであります。
この歌の真実は、セックスの快楽のたわ言をそのまま詠んでいるのでしょう。
セックスを繰り返すうちに、深い快楽の淵のようなところから飛び降りる瞬間があり、それは「イクッ!」という快楽といよりは、いまだ知ったことのない未知の快楽の渦が向こうからやってくるという感覚に近いのであります。
そして回数を経るごとに強烈さを増していくのであります。
もう相手を好きなのがうかすら分からなくなり、ただ「死ぬ、死ぬ」と相手の体にしがみつくのみ。
黒髪は乱れ、汗は吹きだし、二人は愛液にまみれて、独特の匂いを漂わせています。
「もうどうなってもいい、このまま死んでしまいたい」
と貴子は道隆のペニスに頬づりしながら呼吸を整えていたことでありましょう。
が、この歌は、もうひとつエロのほかにホラーも備わっているのであります。
儀同三司とは、太政大臣、右大臣、左大臣につぐ要職であります。
貴子と道隆の息子の伊周がその要職に就いたのであります。だから儀同三司の母となっているわけであれます。
それはそれとして、彼女の幸せは、ここまででありました。
やがて息子は失脚いたします。
次第に家運が傾いていくのであります。
心配のさなかに、貴子は亡くなるのでありました。
華やかだった家運が急速に傾いていく恐ろしさを、この歌は予言しているのであります。
高階貴子と言う名前だけで、高いところから転がりそうなお名前ですね。
殿様が没落して長屋住まいになるのと最初から長屋住まいの人は憂い方違いますね。
●十傳より→かくして藤原道長の時代になっていくのであります。没落はポンペイの遺跡を眺めるような美しさもあるのであります。
立ち寄ったショッピングセンターのペットショップで3月11日生まれのアメリカンショートヘアのベージュ色の女の子
があまりにも可愛くて見ていましたら、店員さんが「触ってみませんか?」と言ってくださいましたが、抱くと情が移りそうで触りませんでした。ローンでも16万8千円は今の私には高貴なネコちゃんでした。
ずっとイヌが好きだったのにネコが可愛いと感じるようになりました。
私もオノ先生のように印税で最初にネコを買って名前に「ミリオン」と名付けたいです。
素敵な飼い主さんに
巡り合えますように!
●十傳より→ネコは女で十分であります。ペットは絶対服従のイヌでなければ私はダメなのであります。それにしても3.11生まれとはねぇ。