2017
10.17

占いを信じるかどーかではありませぬ。

たとえば手相。

この占いをかじることは、ソレこそ、自分を変えることにつながるのでございます。

もしも、転職を重ね、いつもいつも職場でバカにされたりイジメのような待遇を重ねているならば、どんなに明るく振る舞おうと無駄でありましょう。小馬鹿にされるオーラが漂っているからでございます。

学歴がなかったり、引きこもってばかりいたり、外を歩くだけで指をさされてあざ笑われていたり…、そういうお方にとって手相こそ、自分を守る武器となるはずであります。

「あらら、めずらしい手相をしていますね」
このひと言で、職場における位置は変化いたします。
押しつけで手相を見るのではなく、さらりと「あらら」なのがポイントであります。
「手相見れるの?」
「ちょっとくらいは」

人は神秘を否定しながら、神秘に畏怖をおぼえる性質がございます。
手相をかじっているだけで、小馬鹿にする視線におののきが混じり、奇異な存在として、ひそかに特別視されることになるであります。

「えっ、方位、推命もわかるの!」
「旅行に行きたいのだけど…」
の言葉が放たれたら、次にこう言われることになりますです。
「こんどゆっくりお話しさせて」

『11月25日(土)の手相セミナー3のお座席が5名分残っております』
のための募集UPでしたが、でも手相は、生命線が分からなくても、感情線を知れば、部分的な鑑定は可能であります。
つまり基礎がなくて済む、便利な分野なのであります。
10時から17時30分まで。税込み21.600円でございます。

2017
10.16

こーいうことなのでありました。

奇妙なご招待がございまして、不安ゆえ、水杜先生に同伴を願って、赴いたところ、「でん先生」というチョコのプレートがございまして、
「おお、そーでしたか」
誕生日の歌を合唱されたのでありました。
よそのお客にまで拍手をされまして、不覚にも落涙してしまうのでございました。

ふと、このお店で最長齢なのは…と、すすめられるままにハイボールをしたたかに煽るうちに不安にかられましたが、どーやら二番目の長老であることに安堵し、ふたたび、
「お酒、お代わりしてよろしいでしょーか…」
なんてリラックスするのでございました。

時は瞬くうちに過ぎ去り、小雨の繁華街をぬけまして、駅構内に。
傘を杖代わりにエスカレーターでホームまで。東京駅にて水杜先生と別れまして、いやに空席の目立つ東海道線に。

狐に化かされた不思議な夜なのでありました。

思い出せるのは、亀甲縛りを披露したことでありましょーか。
そういう趣味の持ち主の集まりとは知らなかったのでございます。

調子に乗った私メは、ただ消え入りたい気持ちでいっぱいなのであります。

2017
10.13

不意打ちのように関東は秋へと緞帳を開けたのでありました。

体調も復活。
が、老人性のムカつき病はいっそう悪化。
物忘れも重なりますです。

それでも秋。
深い音楽を聞きつつ、仕事をしていますと、そして本日のようにうすら寒い雨の匂いが漂ってきますと、あり金を掴んで羽田に向かいたくなるのであります。

居場所を変えたところでどーなるわけでもないことは知っておりますが、身体がいうことをきく間に、どこかに帰りたくなるのであります。

「おやおやキムラちゃん、ひさしぶり」
偽りの旅人でありますから、各地の飲み屋には偽名のボトルが眠っているはずなのであります。
「あたらしく女の子を入れたんですね」
名前だけでなくキャラも変えますから、言葉遣いも違うのであります。

ホテルで弁当を開けることが苦手なのであります。
食べた後の空の容器や、使い終わった箸の処分に困るのでございます。ゴミ箱に捨てることができませぬ。
で、エレベータの中に置いたりいたしますです。
まさか隣の部屋のドアノブに引っかけたりはいたしませぬ。衝動に駆られはいたしますけれど。

「神経質ね」
なんとでも仰ってください。
疲れ果てても外食。多くは飲み屋で済ませるのでございます。
インスタントラーメンを300円で作ってくれる店など重宝いたします。

「あいや!」
ママさんなどの面白い手相を見つけても、易者の正体を隠しておりますから、吟味してみることはできませぬ。
「胃袋やられてますね」
くらいは「素人なんですけどね」と言えて、あとは謡風に「どこどこ行くの~♪」を唸ったりいたします。
良いですよ。謡風に歌うとあの歌は。

的中しているときは、女の子も身を乗り出し、
「なんでも知ってるのね、物知り物知り」
の言葉で危険を感じ取り、ウィスキーをトリプルでお代わり。

手相セミナーでは、このくらいはマスターできるのであります。
でも、実占は必要であります。ケチケチせず教えてますから。
もう、それほどたっぷりに時間が残されているわけではないので。

十傳出版を立ち上げよ―かとも。

いえいえ、戯言でございますです。

秋が更けてゆき、すると雨の夜道で濡れた犬を抱いている少年の自分に出会えるよーな気がしたりもいたします。