2021
12.07

奇門遁甲について、いろいろなコメントをいただき、それに対して、舌足らずの返しをしてきましたが、どーもスッキリいたしませんので、本日は、奇門遁甲の使い方の一つをご披露しよーかなと思います。

ご披露と言っても、十傳スクールの講義内容に抵触するといけませんから、一例になってしまいますです。

吉方位を使ったのに、
「ヤバイことが起きてしまった…」
こういうことはけっこうあることなのであります。

けっこうあるというのは、たとえば生活の安定を目的として、「地遁」の方位に旅行に行ったけれど、生活の安定どころか、家庭崩壊になってしまったという極端なケースでございます。

ぞくっとするほどの美人の奥さんが、真っ青なお顔で事務所に飛び込んでいたことがあるのであります。
私メの本を読み、その「地遁」の方位で友人と温泉に行ったとのことでございます。
「ところが…」
奥さんは訴えるのでございます。
帰宅したら、夫の様子が変なのであります。お土産の品々を広げても、夫は黙って食卓についたまま無言だというのです。

しばらくして、使わなくなった携帯をテーブルにゴロリと投げ出したのでございます。
「身に覚えがないか」
「?」
電源を入れると画像が現れ、そこには奥さんと別の男のあられもない姿が映っていたのでございます。

背筋が瞬間的に凍り付いたのでした。

一度だけ奥さんは浮気をしたことがあり、ふざけてツーショットを何枚か撮った記憶が蘇りました。
新しくスマホに替えたときに、その携帯を子供におもちゃ用として渡したのでありました。
旅行中に、子供が携帯に操作が出来なくなったので、夫がいじくっているうちに、その画像が出てきたのでありました。

「こんなことってありますか? 浮気したわたしが悪かったんですけど」
「……」
私メは答弁することが出来ませんでした。
地遁は、精神的な安定、家庭の平和を象意とする第一級の吉方位であります。それが、「ハズレ」たのです。

そのとき奥さんが、こんなことを口にいたしました。
「旅行にでかける前日までは友達と楽しく映画を観てたのに。すべてダメになりました」

「!」
もしや…。
「前日の映画は自宅からどの方位ですか?」
奥さんの回答を聞いて、「それだ!」膝を打ったのであります。
どもりながら、おそらく興奮して東北弁が丸出しになっていたことでありましょー。
「詳しぐ聞がせでくだざい」

話によると、前日、丙の伏吟の方位で、三時間以上、映画館にとどまっていたのであります。
丙×丙。ごくごく軽い凶方位であります。

が、その軽微な凶方位でも、直後、つまり翌日に吉方位である地遁を用いると、凶方位が吉方位を食ってしまい、激しい凶作用が出るのであります。すべてがそーだというのではございません。たまたま丙の伏吟のあとに、地遁を用いたケースでございます。組み合わせが悪いのであります。

このよーに、本人が吉方位を使ったとしても、直前に知らずに無意識に凶方位使う場合は多々あること。

奇門遁甲の使い方の基本は、ですから凶方位をなるべく避けることが賢明なのであります。

その後、奥さんは…。
いえいえ止めておきましょう。遁甲とは関係ないお話ですから。