2013
10.06

かような毛ガニを三杯いただいたのてあります。

本日、10月6日は「鮎」の日。アユではございませぬ。
魚偏に「占」と書いてトロ。

しかし、今夜はカニであります。

毛ガニを食するのは何年ぶりでありましょうか。

幼いころ、年に何回か、モリオカまでカニ売りのオヤジが来まして、それを大切に新聞紙にくるんで叔母と近所のオバさんたちと田んぼを突っ切り、北上川のほとりの手掛けの松という岩場まででかけて開くのでありました。

その一帯は現在は住宅街で当時をしのぶものはございませんが、カニを貪っておりますと、ぶどう棚の下をくぐり、用水路の蓋をスキップしながら、横手に八幡森を眺めつつ手掛けの松に向かったことを思い出すのであります。
「ミソはお腹に悪いから」
といちばん美味いところは叔母たちが食うのでありました。

叔母たちも、そのころは20代だったのであります。
まだまだ若かったのであります。
そのせいか、叔母とオバさんたちは、やがて仲たがいをしたようでして、カニの思い出は二度ほどしかございませんです。

美味い時に、おいしくぜんぶを味あわないと後悔いたします。

日曜日なのに、帰りの東海道線はヤケに込み合い、カニを入れた大きな発泡スチロールの箱が、みなさまの邪魔になったようでありました。

胃袋はカニで満たされ、何か良いことがありそうでありますです。