2013
10.16

台風はさほど激しいとは感じられないままに北上しているようであります。
伊豆大島では被害が大きかったようですが、東京は短時間で過ぎ去ったのでありました。

もう少し暴れてほしかったというのが正直な感想なのでございますです。
怒られそうな感想ですね。

台風は東北地方へと迫っているということで、TVをつけっ放しにしておりました。
すると、聞き覚えのある声がいたしました。
「う、ウエハラでは…」
キッチンから顔をのぞかせると、案の定、ウエハラであります。

知り合いではございませぬ。
ウエハラとは、モリオカ放送局の老アナウンサー。
天気予報を担当し、「午前三時からは星キラリ、明日は晴れるでしょう」などと個性をつけたがるヤツなのであります。
小野家では全員から嫌われております。

そんなことはどーでもよくて、TV画面は、おお、実家から300メートルほど離れた場所を、断りもなく映しておるのでありました。
車でよく通る地帯であります。
母校である小学校も映されておりました。

そろそろ帰らねば、などと思っていた矢先の、郷里との邂逅でございます。
10月12日に担任の歌のコンサートが今年もあり、招待状が届いたのですが、この日は十傳スクールでしたから聞きに行くことができませんでした。

TVで見る郷里の景色は、どことなくよそよそしく、ずっと以前に、ホテルをとって親に内緒でモリオカに戻った時の冷たい雰囲気とどこか似たものとして網膜を刺激するのでありました。