2014
01.30

レイトショーに行ったのでございます。

普通ならば新しくできた辻堂のテラスモールのシネマに出かけるのでしょう。その方が人々も多く、濁情の出会いのチャンスの確率が高いからであります。

が、すでに出会いを求める気持ちもなく、また、そういう場所で出会いがあるはずがないという境地にも達しておるのであります。

で、茅ヶ崎のマイカルシネマへ。

誰もいないのでありました。
チケットを買う時に、「空いているお席を選んでください」といわれましたが、埋まっている席はひとつもございません。
「お客は私だけですか?」
と問うと「いまのところはそうです」という返事。

そして最後まで私メ一人のために映写機は回るのでありました。

面白くも、面白くなくもない普通の映画でしたが、これもまた良いのであります。
ただ「マジソン郡の橋」にひどく似ている構成であったのが気にはなりましたです。
東京家族にしろ、しあわせの黄色いハンカチにせよ、お手本がないと作れない監督なのだろうと、そこは同情した次第でございます。

和服の松たか子が帰宅し、そのとき、しめた帯の柄が、出かけた時とは反対になっていたことから、不倫相手の下宿で帯をといたこと、つまり情事を、お手伝いさんに気付かれる設定でありましたが、現実問題として、階下に大家のいる部屋で和服を脱げるか、そこがいつまでも疑問に残ったのでございました。

銀座のママが店のドアの鍵を後ろ手でカチリとかけ、それから…の時も、帯をといたかどうか、すでに記憶はあいまいであります。
パンツが裏返しになっていたことはございました。
ソックスが裏返しのことはしょっちゅうでありました。
だからというわけではありませんが、パンツとソックスはなるべく着用せぬ習慣が完成しているのでありますです。

とにかく穴だらけの映画でも、映画館で見るというのは格別の感じなのでございます。