2014
01.07

陽光がなにげにはじけるようになり、すると部屋のホコリが目立ちはじめるのでございます。

初春とはそのように冬のうちに忍び込み、気づいた時には新しい季節にそまっているのでございましょう。
七靴粥は、そのような春のはじめの光の訪れを食べものとして知らせるものかもしれません。

ふたたび世の中は動き始め、電話も多くなりました。先週が大晦日だったとは信じることができないほど、人々は次の季節へと動いておりますです。

七草粥にはお餅も入れてみました。

お女性のお尻をガブリとしたような感触がございますです。

寒の真っ最中に、春を予感することは、濁情に夢中になりながら、新しい出会いに心を弾ませることのようにも思え、そういえばモリオカにいたころには七草粥を食する風習には縁がありませんでした。雪でおおわれた野原のどこから春の植物を掘り出すのかと、地吹雪がうずまいては屋根があおられる凍てついた風景になずむばかりでありました。

七草粥の軟弱さを咎めるために、イカ墨のイカの料理もこしらえました。
黒々としたイカ墨が、七草粥に復讐しているようでもあります。
「ホントはやさしいのに…」
悲しそうにイカ墨が語り掛けるのであります。
「いいのよ、この人には愛することも反省することもできない人だから」
と諦めたように七草粥が呟きます。

ああ、酒が切れていたなぁ。
仕方なく冷たい水を喉に流し込む、1月7日の夜でございました。
明日は本棚のホコリを払おうと、なんとなく視線をさまよわせるのでありました。