2011
05.05

昨日つくったおでんの汁で、トマトを煮詰めるのでございます。

トマトのおでんの出来上がりであります。
食する時は、もっとひたひたに汁を注ぐのであります。

皮はむかずに、切れ目だけを入れて煮詰めることで、自動的に皮がむけやすく縮むのであります。

銀座あたりで流行りましたが、じつに簡単なので家で作った方が安上がりというものでございます。

トマトの洋風の酸味が、和の汁の味と絡まり合い、和風の庭に雨がしっとりと降るような、そんな落ち着いた味になるのであります。
小生意気な女が、ベッドの中で馴染んでいくようなかんじでありましょうか。
ラーメン屋でアルバイトしているヤンキー娘ってかんじでありましょうか。

それとも、それまで遠慮がちに付き合っていた男女が、ちょっとしたこと…たとえば二人ともラッキョウが大好きだと分かった瞬間に、はじめて意気投合したときのような、そんな感動的な味が、トマトのおでんには備わっているのでございます。

そのトマトを食いながら、歩いてきた鎌倉のハイキングコースを地図と照らし合わせるのも趣ぶかいものでございますです。

ここは六国見山(天園)から二階堂におりるまでの獅子舞の谷といわれる小川づたいの小径なのであります。
知る人ぞ知る名所でございます。

筋肉痛の足を椅子に伸ばしながら、古地図の地名などを眺めていると、つくづく年老いたものだとおもったことでありました。