2015
08.25

職業上、人のお顔を拝見する習性があるよーであります。

人相だけでなく、血色をみて、「おや、昨日、なにかあったよーですね」とか「悩みが晴れましたな」と心の中でつぶやいたりいたします。

先日、講義中に受講生のお一人の眉の上に、画像の如き「曇り」を発見いたしたのであります。

灰色の曇りでございました。
ご心痛を隠しておいでのよーである、と思いつつも、一時間もすると、その曇りが微妙に変化しているのでございます。

人相には、「血色」「気色」「画相」がございます。
血色は割合に見やすく、簡単に申しますとお顔の色であります。
これは五〇センチ以内の近さで見ることが条件でして、天眼鏡でその赤みがどのよーに走っているかを観察いたします。

気色はやや離れたところから見ますです。
部屋の明るさが大切でありまして、障子を通した薄暗い明るさが最適とされております。
私メの事務所は黒いカーテンで遮光しているので、条件に合致しております。
鑑定でも気色は分かります。

いっぽう画相は顔に景色が浮かぶそうでございます。マッチ棒の先くらいの面積に、その人の何かが出るとか。子供を叱っている風景とかが現れるらしいのです。
でも画相を見る名人はもう存在しないとのこと。
画相だと思っても、ほとんどが妄想とか。

で、その受講生のお人の眉の曇りは画像のように変化したのでありました。
バッテン印であります。

愛欲ではなさそうだ、かといって上司とのトラブルでもない。
もしや、アレか?

などと「はーい、沐浴の喜神があればですね」と講義しつつ、どーしても気になるのでございます。

それで、失礼とは思いながらも唐突に聞いてしまいました。
「セミナーに申し込まれていますが、本当に参加しますか?」と。

「分かりません」
という答えでありました。

やはりそうか、このお人は、ずっとそのことを心に置いて悩んでいたのだな。
私メを前にして、その苦しさが眉の上に現れたのだな。

眉の上は福堂とかいろいろと大事な要素が集まっている場所であります。
眉と平行に筋がはいれば転職だし…。
しかし、ここでそれ以上、内面を申し上げることは、人相上の推理だとしても、プライベートにかかるかもしれないので、いたしませぬ。

が、後日、セミナーキャンセルのお知らせをいただいたのでありました。
私メが観たものは、おそらくは「気色」でありましょう。
しかし気色と断定するには明瞭な「×」印だったのでございます。

いまさらですが色情専門が得意でして「ゆうべはオタノシミでしたな」「いま発情中ですね」「文句ばかり言ってますが、惚れましたな」などは自信をもって判断できるのでございますが、このたびの観察で、ちと開眼するところがありましたです。

ブログの俎上にのせてしまい、当該受講生のお方には申し訳ありませんと謝罪いたします。

そーいえば、人の顔を見るという機会はないかも知れませんですね。
テレビで俳優たちの厚塗りの化粧顔は見ても、隣にいる相手の顔色をじっくり見ることはなかなかできませぬ。

でも、たまには顔色の具合を観察し、赤いのか青いのか、それともどす黒いのか、そしてその色は何処に現れ、どこへ向かっているのかを見極めると、なかなか面白いモノでございますですよ。