2010
09.19

DSCN5610海の家の最後のひとつが、いま取り壊されるところです。

白い柱が夏の名残でありましょうか。

この夏も、いくつもの恋が咲いたのでしょうねぇ。

そして、いくつの恋が散って、いくつの恋が実をつけたのでしょうか。

一生に、そう何人も愛せるわけではないんですよ。

恋愛というものは、努力とか頑張りという分野ではなくて、気づいたら病のように好きになっているわけでしてね。

でも、恋は後遺症が怖いことも事実ですね。

遊びだと思っていた恋にマジにハマることもあるわけでして。
それが一生の傷になってしまい、そのあとどうしてだか誰のことも好きになれずに一年、二年と過ぎることも多いのです。

これはマジ恋愛、これは疑似恋愛と自分では思っていても、そう器用に扱えないところに、恋の落とし穴があるんですね。

夏の終わりの海と、恋の終わりはどことなく似ていますですね。

ああ、もっと話し合えばよかった、これも、あれもしたかった…なんて思うのですが、季節は無常に過ぎるのです。

会いたい気持ちがあり、言いたいこともいっぱいあるのに、いざ相手を前にすると、言うべきことが一つも見つからない。気まずい沈黙。これは恋の終わりなんですね。
季節の変わり目なのでありますね。

もしも、この夏に失恋した若い女性が、このブログを偶然に見てくれていたなら、ぜひ記憶してください。
彼のことを忘れてはいけません。忘れずに大切に胸にしまっておきましょう。結果はどうあれ、あなたが好きになった人なのでから。
忘れようとするから心が痛むんです。
立ち直ろうとするから傷ついてしまうのです。

胸にたたんで、たまにそっと広げて懐かしむことから、次のステップがはじまるのです。

秋には秋の恋物語もあるわけでしてね。

  1. 全然若くないのですが。
    なんだか胸に沁みる記事でした。
    詩人ですよね。
    初めて書き込みました。
    ●十傳より→夏の終わりの海を見てますと、こういう気持にもなるのでありました。

  2. ひさしぶりに泣かされました。
    先生は、終わった恋をキレイに飾ってくれる達人です。
    才能に敬服いたします。
     ●十傳より→ありゃ、もしやこの夏に、失恋天使になりましたですか…?

  3. 胸がキュンとして、なんだか見透かされているような気がしました。
    30年近い時間を経ても、まだ生々しいです…。
    >彼のことを忘れてはいけません。
    >忘れずに大切に胸にしまっておきましょう。
    >結果はどうあれ、あなたが好きになった人なのでから。
    >忘れようとするから心が痛むんです。
    >立ち直ろうとするから傷ついてしまうのです。
    >
    >胸にたたんで、たまにそっと広げて懐かしむことから、次のステップがはじまるのです。
    そうですね。
    いつまでも胸の中にそうっと、尊い宝物として大事にしまっておきます。
    ●十傳より→街角を過ぎる風の重さに、しまっていたはずのものが、不意打ちのように思い出されますですよね。

  4. 失恋は悲しくなるより、自分に怒りがこみ上げてきます。
    「どうしてこんな人、好きになったのだろう?あー恥ずかしいわぁ」です。
    もう、恥ずかしくて恥ずかしくて。
    好きだった人でも一度、嫌いになるととことん嫌いになります。悲しさよりも脱皮した後の肌寒さなのでしょうね。
    ●十傳より→受け入れられなかったことについて、いつか記しますですね。

  5. 若くはない、四十過ぎのオバサンですがこの夏離婚して、一つの愛が終わりました。私は一度好きになった人を嫌いにはなれません。いつもいい思い出ばかりが残っています。とは言ってもそんなに恋愛経験が豊富な訳ではありませんが…。
    今でも旦那を愛しています。とても冷たい別れ方でしたけど…。それでも旦那を愛しています。この先また人を愛せる日が来るのか不安ですが、先生の言葉が心に響いています。ありがとうございました。でも若くなければ通用しないことなのかな?若くなくても秋には秋の恋がありますよね?大丈夫でしょうか?
    ●十傳より→傷ついたままでも恋は可能であります。

  6. チワワさんへ ゴスペラーズの「街角」聴いてみて。 好きになるのも、嫌いになるのも、どうしようもない事ですね。私は「想い出」を作るために生きているのかな。胸がはりさけそうなくらいたくさんの「想い出」を持って死にたいです。最後の恋だなんて思わないで。恋は突然に!!でした。
    ●十傳より→熊が冬眠中に果実の付着した手足を舐めるみたいに、恋の思い出にふけるのも良いものであります。

  7. まだまだ未熟者ですが、失恋の最初は相手の男性の素晴らしさに耽っていました。
    結婚した女性を存じ上げた時も、幸せになって良かったね♪と思っていました。
    しかしですねぇ、彼女のブログを見ているうちに、だんだん怒りがこみ上げてきたんですねぇ。
    幸せは全員が祝福するものではないと自分の感情から学びました。無邪気が人の心を傷けることもあるんですね。
     ●十傳より→愛は不平等なのであります。不平等だから「愛」なのであります。

  8. LOVEさんへ
    ゴスペラーズの『街角』聴きました。いい曲ですね。街角は出会いも別れも知っているみたいな曲ですね。
    ありがとうございました。
    恋は突然に!ですね!
    思えば、どの恋も突然にやって来ました。特に元旦那とは本当に突然でした。9才も年下で今まで年上としか付き合ったことがなかった私にはすごく新鮮でした。それなのに私は彼との結婚への価値観の違いと複雑な自分の事情によって自殺未遂をしてしまったんです。それから何かが大きく変わってしまった。
    今さら悔いても仕方がないですね。また素敵な恋が出来たらいいな。
    また恋は突然に!かな?
    ●十傳より→突然の…ためには街に出なければいけませんですね。

  9. いいですねぇ、先生の文章はいつ見ても。
    きっと先生にもこの夏、年甲斐もなく焼き付くような恋をして燃え尽きたのでしょう。
    夏の恋というのは、どんなに時間が経っても良い思い出になっているような気がします。いえ、実際に人から見れば、手さえ握ることもなかった友達だったとしても、心の中にそれは恋だったのだ、と確信する事のほうが多かったような気がしますが…
    私の勝手な予測ですが、夏の恋が実る事だったのかどうかは、秋に訪れる予期もせぬ、不思議な再会が訪れるかどうかにかかっているのでは? ま アテにしてはいけませんがね。(笑)
     ●十傳より→年相応に、静かな夏でありました。