2014
03.31
こんなところで、蕎麦などを食っていて、ボイドタイムのUPをすっかり失念していたのでありました。
「どーなったのか…」
とヤキモキしていたお方もございましたでしょう。
まったくもってスミマセンです。
では、4月のボイドタイムをお知らせいたしますです。
2014年04/01(火)05h08m in牡羊 ~ 14h21m
2014年04/03(木)15h45m in牡牛 ~ 20h48m
2014年04/05(土)23h58m in双子 ~ /06(日)06h40m
2014年04/08(火)03h14m in蟹 ~ 18h51m
2014年04/10(木)15h26m in獅子 ~ /11(金)07h08m
2014年04/13(日)02h12m in乙女 ~ 17h34m
2014年04/15(火)16h43m in天秤 ~ /16(水)01h21m
2014年04/17(木)16h09m in蠍 ~ /18(金)06h44m
2014年04/20(日)10h19m in射手 ~ 10h29m
2014年04/22(火)08h24m in山羊 ~ 13h19m
2014年04/24(木)01h11m in水瓶 ~ 15h56m
2014年04/26(土)05h05m in魚 ~ 19h02m
2014年04/27(日)20h04m in牡羊 ~ /28(月)23h25m
2014年05/01(木)00h56m in牡牛 ~ 05h57m
2014年05/02(金)08h34m in双子 ~ /03(土)15h13m
2014年05/05(月)17h49m in蟹 ~ /06(火)02h56m
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ボイドタイム /
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2014
03.29
モリオカから北に40キロほどのところに、石川啄木の故郷、渋民村がごさいます。
「ふるさとの山はありがたきかな」
と詠んだ、その山とはきっと姫神山だと私メは勝手に信じているのでありました。
その渋民に、老母に乞われて向かったのでございました。
90歳になるオバが施設にいるのでございます。
ボケてしまって、もう20年近くもなるでしょうか。
下宿していた大学生と恋に堕ち、むりやり別れさせられ、独身を通しておりましたが、40歳あたりになってからある男性の後妻に入ったオバなのでございますです。
自転車の後ろに嫌がる私メを乗せ、畦道を遠回りして幼稚園に送ってくれたオバでございました。
受付の若い看護婦さんに案内されるのでしたが、二階の奥の扉を重たく開けられた時、
「そんなに悪いのですか?」
「はぁ、たぶんお会いになっても分からないと思いますよ」
と言われ、しばし沈黙。
「おっかねね」
老母は面会に来たことを後悔している様子でありました。
窓から春の田園が見渡せる部屋の、その窓側の部屋でございました。童謡が天井のスピーカーから低く流れておりましたです。
「浅田さん、浅田さん、起きて、お客さんよ」
看護婦さんはオバの顔をこするように撫でるのでありました。
もはや別人の顔。
口をあんぐり開け、老いた赤ちゃんのようでございます。
ああ、これではもうダメだ、こうなってしまってはダメだ。
老母は、それでもオバの手をさすり、「むっちゃん、来たよ。久しぶりだね。分かるっか?」と耳元で呼びかけるのでした。「春になったんだよ、バッケ採りにいぐべ。ワラビも採りさいぐべしね」
するとでございます。
象のように細く開いた目でオバは、ああ、ああ、と音を発するのでございます。「ういえ」と発し、こんどは「すぅ、すみえさん…」と老母の名を振り絞ったではありませんか。
「分かるのっか、わたしのごど」
オバはうなづく仕草を示すのでありました。
看護婦さんは、「たまに意識が戻られるようです」と言い、「みんなに来てもらって嬉しいんだよね」とオバに語りかけるのでございました。
ロケットが燃料タンクを落しながら、最後には小さなカプセルで宇宙に向かうように、オバも不要になった悲しい記憶やらを振り落しながら、やがて魂だけになってしまうのでございましょう。
私メにもオバは手をふると、いつしか寝入ったのでございました。
帰り際のドアの出口のドアのところで、それまで案内してくれた看護婦さんのふくらはぎがバカに美しいことに、はじめて気づいた私メでございました。
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十傳の日記 /
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2014
03.28
モリオカはまだ3月なのに妙に暖かいのでございます。
白鳥たちは盗賊のような鳴き声をあげながら旅立ちの時を待っているのでありました。
遠くシベリアへはばたくまで羽を休めているのでしょうか。
しかし、
「まだその時ではない」
という何か予感のようなものがあり、春の日差しを疑っているようでもあります。
まるで不実をつづけた男の改心した演技を信じないお女性のように。
「裏切られてばかりきていたから」
などと責めるように訴える眼差しを向けているようでもあります。
男も、
「この女にはとっくに未練はないさ」
とせせら笑いつつも、最後の濁情を楽しむために、旅の恥はかき捨てというような気持ちで、
「オレが悪かったよ。お前がかけがえのない女だと気づいたんだ」
と心にもない世辞を述べたりするのでありました。
枝に花が咲いているのではございません。
白鳥の不用な羽毛がひっかかっているにすぎませんです。
偽りの花とでも申せましょう。
私メが郷里を離れたのは40年ほど前の3月31日。吹雪でありました。
8年前の亡父の手術の日も吹雪で、やはり3月30日。
暖かくてもまだまだ油断はできないモリオカの春でございます。
本当の春の日差しではない。
束の間の陽気に騙されてはいけないと、湖面に砕ける日差しを見て見ぬそぶりをしているかのような渡り鳥なのでありました。
「今年はさぁ、池にね、黒鳥が混じってっるってたっけよ」
と言われて、足を向けたのでありますが、黒鳥の姿はございませんでした。
やっぱりだな…カメラをポケットにしまい、ふたたび古い実家に戻ったのでございます。
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独断的恋愛論 /
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