2023
01.31
関東に戻る前日、昨日のことですが、突如として空がかきくもり、わさわさと雪が降ってきたことは昨日のブログで述べましたです。
で、いつものよーにも早朝のタクシーを予約したら、
「おもしゃげながんす」
と、タクシーの予約はいっぱいだと謝罪されたのでした。
「なぬすろ三台しか車がねくて、はぁ、この雪だえん。予約は埋まってすまったのす」
えっ、このタクシー屋は、前日の3時ころに電話予約すると、「まだ早ぇがんすって。もうちょこっとしてから電話してけねべか」というので、生真面目に夕方の6時に予約したら、このありさまでありました。
仕方ないので、始発のバスにと、頭を切り替えるしかないのであります。
おかげで朝の3時に起きまして、雪かきの仕上げをし、部屋の掃除をし、「んでは行ってくるがら」と老母に別れを告げたのが5時45分。
歩道は、ガラガラを引くことのできないほどの積雪。
氷点下10度の寒さに耐えつつ、ガラガラを担ぎ、バス停まで。
なんともミジメでございました。
画像のとおり、新聞配達員のオートバイが転倒するなど、過酷な道路状況なのでした。
待つこと15分あまり。
遅れてきたバスに乗り込みましたです。
けっこう混んで座ることはできないのでした。
しばらくして異変が起きました。
下腹部が…。
下腹部が下痢の前兆を訴えたのでございます。
バスが揺れるたび、体も震えるのでした。
バスを待つ間に体が冷えたのでありましょー。
モリオカが「いかないで~!」と抵抗しているようにも感じられましたです。
「早く、はやく駅に着いてください」
コンビニのトイレで放ってくれば良かったと悔やみましたが、あとの祭り。
ただただ神様にお祈りするばかりなのでした。
やっと駅のトイレで藻屑を流し、その時点で、1日以上の体力が失われたのでございました。
眠っていけばイイのだという考えも、裏切られることは、その時には分かりませんでした。
斜め前のジジイがパソコンをカチカチし始めてのであります。
しかもヤツのガラガラがテーブルに振動し、激しいほどの雑音を鳴らし出したのでございました。
事務所に到着したのが、10時。
11時からは機械関係の作業員が来ましたから休む暇もございません。
13時からはリモートでの打ち合わせ。
そーいえば、先日に昼ご飯を食っただけで何も胃におさめておりません。
下痢もあいまって食欲は減退。でも食っていないので頭はもうろう。
いやはや、こういう1日は久しぶりでがんした。
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2023
01.30
モリオカでの最終日は、いつも老母の10日~2週間分の肥料づくりに時間を費やすのであります。
以前は6時間ほど要しましたが、いまでは慣れまして2時間30分ほどに短縮。
いま、どしゃどしゃと雪が降ってまいりまして、たちまちのうちに通路が雪に隠れましたので、肥料作りを中断し、雪かきであります。
肥料は、予定ではあと4品ほど作るつもりでございます。
そして、これらを冷蔵庫に整理しまして終了とあいなります。
魚、肉、野菜とそろえまして、味付けは薄味に徹するのでございます。
ニンジンの金平だの、鶏肉の甘酢あんかけだの、魚の煮つけ。
ちとフラフラなのです。
おろし金で、大切な中指を傷つけてしまい、血が止まりませぬ。
つまんで食いましたら、
「おお、けっこうイケる」
雪は降りやまず、明日のタクシーの予約は取れず、ちと呆然としてはおるところでございます。
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2023
01.29
不来方の城跡は雪に閉ざされているのでありました。
薩長のヤツらに城を解体され、その後、30年以上にわたり、立ち入り禁止されていたのであります。士族の魂の拠り所を奪うためでございます。この歴史は、モリオカの住人もあまり知らせておりません。
石川啄木が、
「不来方のお城の草に寝ころびて、空に吸はれし十五のこころ」
と詠んだのは、やっと城跡に入ることが許されて二三年たってのことで、当時は整備もされておらず、それこそ草茫々だったと思われますです。
荒涼とした城跡を私メは好きなのであります。ときおり寒風が吹きすさぶのも。
路面は凍てつき、なんども転倒しかけるのでございました。
日曜日だというのに人影は絶え、そして昼間だというのに薄暗いのでした。
足よ、そちらの方には行くなと言い聞かせるのですが、頭脳に逆らい真ん中の足は、しつけの悪い犬のよーに、勝手に危険地帯に進むのでございました。
毘沙門橋をわたり生姜町に出て、八幡町の新しくできたという喫茶店で暖をとりました。
あやしく心の臓が不整脈を打つのは、やはり体内の犬が獲物の匂いを嗅ぎつけたからでしょーか。
「近くにいるぞ」と。
汗まで吹き出し、喫茶店を出たら、空は晴れておりました。
「蘭丸ぅぅぅぅ」
通りを曲がれば、中華料理屋。赤い暖簾をわけて、その油に汚れたガラス戸を開ければ、ジェンダーの蘭丸さまがいるのであります。
すうっと目を細め、「なによう」と嫌悪の氷の刃を放ってくることは間違いございません。
そして、それでも私メは、おもねるよーな視線を蘭丸さまに向けるに違いないのであります。
一瞬見た、豊胸手術の胸を確かめることでしょう。どうじに股間のペニスもズボンを透かし見るように確認するのでしょー。まさか切除しているのではないかと。
想像しただけで眩暈をおぼえるのでした。
ラーメンを運んできた蘭丸さまの、細い荒れた手をぐいっと引っ張ることでしよー。
丼は床に割れ散り、しかし私メは、蘭丸さまの薄い唇に唇を重ねるのでしょー。
ああ、蘭丸さまの青い髭が頬にチクチクするいとおしさよ。
きっと蘭丸さまは私メの頬を平手でぶつのでしょーか。
それとも客どもに後ろ手にされ胃袋あたりを殴られるのでしょーか。
もっとも怖れるのは、その店を辞めて、いなくなってしまっていることでございます。
氷と書かれた立て看板に手をつき、息を整えました。
寒いのに汗が流れるのであります。
これでは、老人性のこめかみあたりにできた黒いシミを消そうとして、通販で手に入れたポンポンポンが汗で流れ落ちているに違いありません。
そしたら嫌われてしまいます。
「大判焼き二つ」
を注文し、バスで帰宅し、老母と一個ずつ食べたのでございました。
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独断的恋愛論 /
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