08.31
夏が逝くのであります。
どんなに暑くても、もはや夏に勢いはなく、靴音が耳に響く季節が戻ってきたのであります。
「ああ、夏がなつかしい」
そう思える日々が、そこまで来ております。
すると、ふいに、どこかへ旅行したくなるのでございます。
遠くの北の町で、喧騒の東京をいとしく、そしてどこか、逃げだしたうしろめたさを憶えながら感じたくなるのであります。
ネットには載っていない、さびれた漁師小屋のような店で、炉端の煙にいぶされつつイカ焼きをつついてみたいのであります。
無責任な旅行者ほどしあやせな存在はありませぬ。
宿屋で、文房具屋で買ってきた便せんに万年筆で手紙を書きたくなるのも旅行者のしやわせであります。出すことのない手紙であります。
あのレディはどうしているかと意識のなかで大きな領域を占めているお女性を想いながら、メールも電話もせず、放置するほろ苦い気持ちも悪くありません。
そしてたとえば、ドンキの大人の玩具の売り場にしゃがんでローションを選んでいる二人連れのギャルと目が合い、ニヤリと「不味い店で飲むか」などと気が合い、「おじさんヤリたい?」「女は買わない方針ザンス」などとバカ会話の合間に、「好きな女がいましてね」と放置しているお女性について喋りたくなるのも旅情なのであります。
「バカじゃねえの、このジジイ」
ガハガハ笑われることで、安らぐこともあるのであります。
じゃあ、またね。
二度と会わぬサヨナラを交わしたとたんに、とても贅沢な喪失感にとらわれたりするものであります。
私メの旅行は、同じ場所に向かう習性がございます。
以前に入った店の扉を押しますと、
「おっ、キムラちゃん」
出張しているという嘘や偽名の楽しみをたのしめるからでございます。
占いを披露したくなることもたびたびであります。
そういう時は手相や人相で我慢するのでございますです。
宿に戻り、布団にあおむけになり、しかし、どーしてもどーしてもメールを打てないのはどーいうわけでありましょーか。
いやいや、これは妄想のお話であります。
旅行もしていなければ、宿屋にいるわけでもございませぬ。
四月に行った釧路の画像を眺めて想像に浸っているに過ぎないのであります。晩夏の夜のたわごとでありました。
旅行は私にとって贅沢なこと
日帰りでもいい、何処かへ行きたい.
愛する人が旅へ
いま何をしているのでしょう
宿の湯に浸かっているだろうか、それとも見知らぬ町を散策しているのでしょうか
食べ物は口に合いますか、疲れてはいませんか、どうか気を付けて
遠くはなれているのに 不思議と近くに感じる ……. あなた
と、私も 愛しい人を想い妄想の世界へ
今日は朝から小雨が降り少し肌寒いです
なのに ノ-スリ-ブのワンピ-ス姿 なぜ ?
「 しまった ! やっちまった ! ネボスケしてしまった ! 」
行く手を遮る 猫ドモを蹴散らし タンスを開け
とにかく一秒でも速く着られるのをと握ったのが 涼しげな このワンピ-ス
私の肉付きのよい二の腕に、鳥肌が顔を出そうか出すまいか 迷っているようです
●十傳より→今日は、私メはネイビーブルーのカーディガンをはおりましたです。
もうちょっと、あと1か月ぐらい夏長くてもいいのに・・・
●十傳より→同感したくなりましたです。
世間一般では「処暑」ですが、いやオレのでは「清明」だと言ったら
バカヤローって言われますでしょうか …
●十傳より→言われてもイイのではありませぬか。六壬では月将が巳月という論法もございますし。
九州の田舎ですが、2週間ほど前から秋の気配を感じています。夏は去り秋が押し寄せてきてます。
先生の妄想とはいえ、男性が好きな女性にメールをうてない理由はプライドでしょうか?
女は待ちわびているはずです。
●十傳より→プライドとは関係ないはずであります。
何故秋になると旅に出たくなるのでしょう?
現実逃避でしょうか?
●十傳より→陰が深まるため、陽になるのかもです。
ドンキの大人の玩具の売り場、よく行かれるんですか?
●十傳より→もちろんですとも。お女性が悦ぶものがいっぱいなのでありますから。