2021
08.23

1人で飲むワインは淋しいものがございます。

料理をテーブルに飾っても、音楽をかけても、そこに自分しかいないのであれば、ワインは、一人ぼっちの侘しさをかみしめる所作となるのではないかなと考えます。
実際には、
「そんなことはないわ」
ハーフボトルを傾け、血のよーな赤のグラスのくびをつまんで。

ワインは、誰かと語り合いながら楽しむものではないかという先入観をいだいております。

深夜、PCの電源をおとしたところから、私メのお愉しみが始まるのでございます。
隠し部屋に移動し、戸棚からとりだしたウィスキーをドボドボ。
見かけはよくないのですが、モリオカの水は美味しいので、冷凍庫で出来た氷でじゅうぶん。

ウィスキーは冬の匂いがいたします。
「りっぱな大人になるために!」
と、14歳の冬に、毎夜、牛乳のコップに二杯飲むことを、自分に課しました。窓から手をのばし、長く凍った氷柱をくだき、そのコップに落として飲んだ、その冬の匂いでございます。
おかげで、つい数年前までは15杯飲んでも平気なほど強くなりました。最近は5杯が限界であります。
立派な老人であります。

それでも、トマトを丸かじりした後に、グビリと喉に流し込むと、限りない自由と、いちまつの悲しみのよーな気持ちにひたりますです。
モノローグのしやわせであります。

引き出しから古い雑誌のグラビアを眺めることもあり、西洋の絵画に目を近づけ、その世界にトラップすることも。

昨夜は、しのつく雨。稲妻が濡れた天窓を刺激し暗転していきました。

いままでプール何杯ぐらいのウィスキーを飲んだだろうか。

四柱推命でいえば、火炎躁土の命だから、お酒は運勢にイイのだとかたくなに信じているのであります。
もう音楽も不要。

1人のお女性の名を上から下まで呼びたくなるのであります。
口にすると頭をかきむしりたくなります。
それは、もう酩酊した証拠。

12 comments

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  1. 玉女守門の催吉に来ました。
    帰宅後は占いや仕事の勉強などに集中すれば良いのでしょうか?

    ●十傳より→ですよ。

  2. 夢の中で、髪の長い女性の水死体を見て、なんだかぼーっとしています。その死体は自分だったりして。

      ●十傳より→老婆の水死体でなければ、そーかもです。

  3.  小野十傳先生・自分はショットバー以外はほとんどいかないので、一つ心配な事があります。
    それは、ロックでウイスキー・・・チェイサー(氷の入った水です。)がないと、アルコールは身体には異物だし、分解途中は毒で、最後にちゃんと二酸化炭素と水まで分解されるとトイレが近くなるそうです。
    アルコールは、身体から水分を奪いので、必ずチェイサーをのまなければ、脱水症になりは・最悪早死にすると、ソレガシの酒の師匠のバーテンダーさんが、このことは医者も知ってるエビデンスの確かな事だそうなので心配です。

      ●十傳より→そこまで考えずの水でございました。

  4. トマトを丸かじりすると同時に人参も丸かじりしてください
    リコピン+カロテンはガンを予防する重大な栄養素ですので

      ●十傳より→ウサギではありませぬゆえ…。

  5. 長く凍った氷柱を…のくだりがすごい贅沢だなと思いました。
    関東では味わえないならではの味わいなんだろうと思います。
    飲んでみたーい。

      ●十傳より→埃臭くてイイでありますよ。

  6. どんなお女性の
    お名前なのでしょうか・・・

    ●十傳より→酔っていないと思い出しませんです。

  7. すごく頑張った日や、すごく寂しい日は、ロック
    そーでない日もロック
    若い時はツララのロック
    ロックを知ったからには、水やソーダの出番はないゼ
    でも、老婆になったらワインのロック
    トホホ…
    胃の健康な先生が羨まし。

      ●十傳より→そーいえば胃は頑丈ですね、いまのところは。

  8. 恋、ですか?

      ●十傳より→50年前のお女性でありますですよ。いまは古新聞のよーな老婆でございましょー。恋ではなく、当時の自分に戻りたくなるだけ。

    • 先生の文章のくだりがステキです。

        ●十傳より→ありがとーございますです。

  9. シラフに戻ると忘れて思い出せない名前でしょう。

      ●十傳より→エロAVのよーに。

  10. 酒は五行だと金行になりますですか?

    ●十傳より→原則は水行です。

  11. 暖房の効いた暖かい部屋で カラン と氷の音をたてながら飲むウイスキ-
    やっぱり ウイスキ-には冬が似合いますよね
    でも私のウイスキ-の思い出は夏
    私は幼い頃から、お腹が空けば自分で何か作り
    深い傷を負っても 自分で消毒し包帯を巻いたり
    オンボロ自転車がパンクすれば自分で直したり
    いちいち親に頼る子供ではありませんでした
    そんな子供ですから
    親の目の届かない所では お子ちゃまの分際でウイスキ-を飲んだりしていました
    夏の暑い日、家へ帰るとすぐコップに氷をカラカラと投げ入れ
    その中にレモンの絞汁・作り置きのシロップと水
    そして最後に、用心深く辺りを見回しながら戸棚から取り出したウイスキ-を投入
    これが最高に美味しいのです
    二杯三杯とおかわりしたいところですが酔っぱらってしまいますので一杯だけ
    それに、急にウイスキ-の量が減って疑われても困ります
    今にして思えば結構な知能犯悪ガキだったのかもしれませんね

    ●十傳より→人は見かけによりませんですね。微笑ましいお話でございましたです。