2012
08.04

花火なのであります。
熱暑につかれた空は、ますます疲労の度を濃くすることでありましょう。

オリンピック、冴えませんですねぇ。
銀メダルや銅メダルを獲得したところで役に立たないのであります。

おそらく一年ほどすると、
銀や銅メダルの選手たちは、冴えない顔で占い師を訪ねることになるのでありす。

金メダリストは将来はまずは安定いたします。
が、そのほかの選手は、大学の事務員あたりにおさまれば、まだ良い方であります。
世間から忘れられますが、本人は、オリンピックという輝かしい数日間を忘れることはできませぬ。
パンチドランカーのように呆けてしまうのであります。
恋すら不能になるのであります。

飲み会で「さあ、話してくれよ」とみんなから拍手で迎えられても、突然に言葉が詰まるのであります。
「べつに、話すことなんてないです」
と陰気にうつむくのであります。

そして、占い師へ。
「これからどーしたらいいんでしょうか…」

そこで、「頑張れ」とか「まだヤレるじゃないの」などという見え透いた励ましの言葉は、かえって残酷でございます。

選手たちは、トレーナーにはなれませぬ。
マッサージとか指圧の専門学校に向かうことになりますです。
が、その道も修行がございますから10年はかかるのであります。

けれども、選手だけでなく、すべての人々だって似たようなもの。
目指す道で開花する人は、ほんの一握りでございます。

夏の夜の花火は、人生の一瞬の希望の時期を象徴しているのかもしれませんです。

「諦めなければ夢は叶う」のではなく、諦めたくても諦められずに苦しんでいるというのが真実でありましょう。
夢を叶えられなかった人は、諦めたからだと言い捨てるのは、ちと酷いのであります。

夢も捨て、さりとて諦めているのでもない、そういう泥濘のような生き方を人々は強いられているのでございます。

花火を仰ぐたびに、未来ではなく過ぎ去った想い出がフラッシュバックするのであります。
「去年の花火は、おととしの花火は、20年前の今日は…」と。

花火帰りの人々の背中は、こころなしか淋しく黒々としておりますです。

11 comments

▼コメントする
  1. 先生こんばんは。
    本日もお疲れ様でございました。
    少女A も九死に一生、余命宣告をうけまして早6年あっという間
    でごさいました。
    現在はピンピンしております。振り返りますと走馬灯の様な……
    現在も夢を見ている様な思いで一杯でございます……
    今が一番幸せでございます……花火があがっている最中かと。

    ●十傳より→それはよーございました、であります。

  2. 焔が脳裏に染み込むような美しいお写真ですね。
    ありきたりのテンプレートのような過去が欲しくて…未だに、茹だる人混みに飛び込んでしまうのが止められません。
    リターンは益々小さくなるというのに。汗まみれの浴衣を脱ぎ捨てながら、今までの自分を振り返ったら…
    あああ、頭カカエテ床をゴロゴロ転がりたくなるほど恥だらけです!

    ●十傳より→意味不明のコメントなのに、脳みその深いところで共感してしまうのであります。

  3. 週なかばから風邪をひきましてやっと復活しましたー!
    夏の風邪はしんどいです…体力根こそぎ持って行かれるような。

    >そこで、「頑張れ」とか「まだヤレるじゃないの」などという見え透いた
    >励ましの言葉は、かえって残酷でございます。

    >「諦めなければ夢はかなう」

    これらの言葉を聞いていつも思うのが、人は「希望」を持つことが
    大事という、無言のプレッシャーかなと…。
    パンドラの箱に最後に残ったとされるのが「希望」といいますが、
    あれは割り切りの悪さ?に、いつまでももだえ苦しむために
    与えられた言葉なんじゃないかなと思うのです。
    生殺しでしょうか?…キャー、いやだそれー。(爆)

    >選手たちは、トレーナーにはなれませぬ。
    >マッサージとか指圧の専門学校に向かうことになりますです。
    >が、その道も修行がございますから10年はかかるのであります。

    これって、今までの運動経験を生かす形で
    整体師になられる方も多いんでしょうか…?

    私が通っている整体院は、フェンシングで全国大会にいかれた
    ことがある男性なのです。
    この方は社会人になってからはフェンシングをしないで、
    そのまま整体師になるべくお勉強されていたみたいですが。
    スポーツ整体は結構痛いですが、体が動くようになるので快感ですね。(笑)

      ●十傳より→人間は、いつ諦めるかが運命の分かれ道。諦められずに人生に迷い続けている人たちはかなりの数であります。税理士試験に挑戦し続けている40代のサラリーマンとか。地獄であります。

  4. 夢を追いかけるのは地獄かしら?
    あたしは、そうは思いません。
    だって楽しいもの。
    あたしにも夢がありますが…大小様々…
    一つはあたしにとって果てしなく大きくて恥ずかしくて言えませんが
    それ以外は一つ一つとてつもなく小さいものばかりです。
    たとえば…
    家の中でスウェットでいるのをやめるかわりに、年甲斐もなく小っ恥ずかしくてお外で着れない服を着ようとか
    素敵!と思ったタティングレースをマスターしようとか…
    お風呂のコ―キングや網戸の張り替えを出来るようにしようとか
    クリアしやすい小さなものをちょこちょこと…
    そして達成するまでの試行錯誤が楽しいです。
    知らないでいたことを知る、できなかったことができるようになる。
    その達成感はとても格別です。
    それで つい
    「何でも出来ちゃう不思議な手、どうして上手にできるのかな~」 なんて鼻歌歌って
    あたしってイイ女じゃん!
    て自分で自分を褒めちゃっています。

    仕事人でもスポーツ選手でもですが、その道のスペシャリスト、どっぷりはまっている人は、その道を失った時アイデンティティが危機にさらされるんですね。
    そうならない為にも、色々な自分をせっせと構築し続けなきゃ…もう完成だと思った瞬間に足をすくわれますね。

    ●十傳より→それはそうなのでありますけどね。世の中の希望めいた言葉を頭から信用すると危険かも…ということであります。

    • 時期的にかなりずれてしまいましたが、
      横から失礼します!

      夢を追うことは本当に楽しいし、わくわくしますよね♪
      実は自分の好きなことをできる時間をもっと増やしたくて、
      色々と動き始めました。

      前に勉強していたことがあるのですが、その時にどうしても
      思うように伸びていかず…。悶々としていた時期があったのですが
      先生や仲間内から「ネバーギブアップだよ!」ということを言われ
      続けてはいたのですけども、もう限界だー!と、放棄しました…。
      楽しいし、今でも役に立つことではあるんですけど、究められない
      事実に直面してしまいまして…。
      具体的なアドバイスを求めても、ネバーギブアップ!!という
      言葉の連呼をされたのが悲しかったのです。(苦笑)

      アイデンティティの確立って、想像以上に厳しいのかな…。orz

      目標があって動いているときにわくわく感や、楽しい!!とか、
      結構きついことを言われても、これも肥やしになるわと
      思えるように、今度は過ごしていきたいです。

      やっぱりakikoさんはステキ♪(*^^*)

        ●十傳より→夢が叶う時期というものがありまして、そのタイミングを逃すと、夢への扉が固く閉まったりいたしますです。すべては、頑張りだけでなく「運」かと思うのであります。

      • アイデンティティ…できれば確立しないほうがいいような…
        失ったときに初めて気づいてショックを受けたことがあります。
        苗字、これもアイデンティティの一部です。
        名前ではなく苗字や苗字の一部の愛称で呼ばれていましたので、結婚してから友から「あきちゃん」と呼ばれることになりました。「あきちゃん」はあたしではないという感覚に陥りました。
        まぁ、もう再婚することもないでしょうが、念の為、あきこのほうで呼ばれることにしましたです。もうあんな思いは嫌ですから。

          ●十傳より→アイデンティティってのもクセモノでありますよね。そんなものは50億人からみれば屁のようなものでありまして…。我欲の別名と心得れば、アイデイティティの呪縛から解かれるのであります。アイデンティティがあるから苦しむのでございますです。

      • ステキ♪ などとお褒めいただき有難うございます。
        褒められると恥ずかしくてスルーしてしまう悪い癖がありまして…ごめんなさいです。
        でも、これ ↑ 何度でも読み返せるから…
        背中が痒いです。

        ●十傳より→そろそろ蚊やダニの季節なので、ご用心くださいまし。痒いかいではね。

  5. 花火いいですね。これが運気と重なるとどうもって感じで。火がついている間はいいですけど。九紫の私にとって早く今週の8日以降にならないかなぁと思っています。断易を持ってしても遁甲恐るべしです。

      ●十傳より→7日まで月の九星が九紫火星でありますか…。遁甲では九星の重さはさほどないのでありますけど。

  6. 先生こんばんは。
    お疲れ様でございました。
    北区と荒川区に買い物に行ってまいりました。
    両区共にお祭りで神輿が出ており賑やかで熱気がございました。
    粋な男衆女衆でございますね。見物しておりまして夕食は、サッパリ系に。
    先生から教えて頂きました、梅干し炊き込みご飯を、お茶づけで食べました。

    ●十傳より→渋めのお茶にあいそうでありますね。

  7. ギリギリのところまで地団駄踏むような思いでいても、
    いざ手放してしまえば、
    何故にあそこまでしがみついていたんだろう?
    そう思えるくらい、嘘のように軽くなっているんですよ。。

    峠越えだか、壁越えだかをした後の開放感を一度味わうと、
    そのスッキリ感がまた忘れられなくなります。
    あ、あと少し。もうすぐだわ・・・と。

    潔し・・・潔すぎるのも、なんなんですけどねぇ・・・

    ちょっと流れが変わって来たような、そんなこの二三日。
    何にというわけではないけれど、
    無性に「ありがとう」と言いたい気分です。

    ●十傳より→この道はいつか来た道…って歌詞が心にぶつかるとぎありますです。

  8. ギャンブル宝典のあなたの運勢コーナーを見てですけど当たりすぎます。正直いって。

    ●十傳より→今後は、すこし力をゆるめたいと思いますです。