2014
03.23

流れる水も春を告げておりますです。

私メは近くのお庭を散歩いたしておりました。
梅の花がおわり、次の爛漫と花々が咲くつなぎ目の束の間の殺風景な期間なのであります。

ちょうど濁情と濁情の間の落ち着いた日々のようでもあるのでしょうか。

そして、死んだ人ばかりが登場する夢をみるのであります。
お彼岸ということもあり、無意識が死者を懐かしんでいるのかもしれませんですね。

一週間前に滞在していたかの地も、現実感に遠く、死の世界だったようにも思えるのでございます。

崩れた城壁に咲く花々の鮮やかすぎる光景は、華やかすぎるために、かえってこの世のものと納得できないのでございますです。

電話に出るのも億劫、メールの返事を打つのさえ「どっこいしょ」と気合を入れなければなりませぬ。

「彼女はどーしてるのかなぁ」
「死んだよ」
「いつ?」
と、かつての濁情のお相手をしてくれたお女性の訃報を知らされる年齢も遠いことではございませぬ。

生と死の狭間のような、ちょうど現在の私メの年齢を、季節は教えてくれているのかもしれませんです。

2014
03.22

「あたしの良さが分かったえん?」
と、潰し目玉焼きが言うのでありました。
日本の卵は格別なのでございます。

生卵も良いのでありますが、焼き途中であえて潰した目玉焼き。その生焼け加減の舌にとろけることといったら右に出るものはありますまい。
「ああ、やはりお前だよ」
こう答えるしかないのであります。

胃袋にとどく前に栄養が吸収されていくことがカラダで分かるのでございますです。

そして早春の香りの漬物。
「もっと強くお噛みになって…!」
と求められるまま奥歯で噛みしめますと、塩の甘さが口に広がりますです。

エウロッパのウンコの臭いから、いつもの親しみのある匂いのウンコに戻りつつありまして、それはこれら和食の力でございますでしょう。

「オノさんの大切さも分かったよ。外国に行ってしまって、日本にいない間、発狂しそうだったもの」
「そうかそうか」
私メは潰し目玉焼きと漬物をかわるがわる味わうのでございました。

トドメはジャガイモの味噌汁でございます。ワカメと少しばかりの油揚げ。
隠し味に玉ねぎ。

「でね、もしもよ、もしもオノさんが死んだらどーしようかって悩んじゃったよ」

静かに味噌汁のお椀を傾けつつ「簡単じゃないか」と口のはじで笑うのでございました。
「オレが死んだら、お前も死ねばいいだけの話じゃないか。悩むことなんてなにもないよ」

すべては覚悟でございます。
覚悟さえつけてしまえば、どんなことでもヤリトゲられるものであります。
潰し目玉焼きと漬物、そして味噌汁は、そんなことを私メに教えてくれたようであります。

 

 

 

2014
03.21

巴里でのおミッションを終え、係りのお方にモンマルトルを案内されたのでございます。

芸術家が集まる場所…というより下には歓楽街が広がり、どーやら係りのお方は、私メが色情狂であると踏んだのでありましょう。

しかし、異国でのお遊びが、高くつくことを私メは痛いほど熟知しておりますからウンコはたれても精液は漏らしませぬ。

かつて同門に田宮ハゲ丸という男がおり、台湾の研修旅行中に、買春をし、帰国後、風土病におかされていると気づき、しかし手遅れで、髪の毛からまつ毛に至るまで、すべての毛が抜けおちたのでございます。

ハゲ丸は二年前に死にましたけれど、その轍を踏むわけにはまいりませぬ。
あっ、ハゲ丸というのは、私メが個人的につけたあだ名でございますです。

こうして一人で地下鉄でブラブラするお楽しみが安全というわけであります。

しかめっ面をしているのはホモ除けでございます。
お女性に対して注意をしていましたけれど、巴里のイケメンから声をかけられるのであります。
美女よりも美男の多い町でありますです。

町は異国感はさほど感じられず、銀座でもほっつきまわっているムードなのでございますです。
モンマルトルが上野公園なら、歓楽街は御徒町あたりというように、東京の土地勘で歩いても迷うというようなことはございませぬ。

ともあれ、いかに美男であっても、男は男。肛門はウンコをするためにしか使用を許さないのであります。

エロ絵画の鑑賞をしつつ帰国までの時間つぶしとあいなり、それはそれで、まずまずでございます。

犬のようにどこでもタレ歩くのでございますけれど、パリのデパートの便所は1€50セントも取るのであります。日本円で230円ほどでしょうか。そこには中国人観光客どもが占拠しておりますし、お金を出して彼奴等のウンコと混じりあうと想像しただけで腹が立ちますから、ルーブル美術館まで我慢し、そこの清ケツな便所でメタッとしたヤツをたれたのであります。

食い物のせいでしょうか、いつもの軟便より、やや固まった便が腸内にへばりついている感じで、額の血管を膨らませるほど力む必要があるのであります。

麗しきパリのウンコ日記は続くのでありますです。