01.18
自粛の呼びかけに背を向け、県をいくつかまたいで郷里のモリオカにたどり着いたのでした。
待っていたのは、老母の、
「年末から風呂に入ってない」
貯湯のタンクが、寒さのために凍っていたのであります。
オール電化に変えたので、覚悟はしておりました。
ただちに業者が駆け付け、
「音声で水張りのメッセージがあったはずですが…」
の確認に、老母は、
「そったな声は出ていたよ。そのたびに『分かりません』と答えてたのさ」
業者は雪降るなか、そとで作業を始めたのでありました。
もうひとつ、門扉が歪んでいたのであります。
雪や寒さのためか?
「いや、こ、これは…」
やはり駆け付けた別の業者が、
「これは、除雪車の羽根が当たったためですよ。そうとうに強い力が加わらないと、こうなりません」
の言葉を聞いた瞬間、頭の血管がプチプチと切れましたです。
先月、トラブルした親戚のバカ息子、マー坊がお節介をしたためだと察知したからであります。
大きな除雪車が奴らの門のない家の前に置かれていたのでありました。
しかし――。
「まぁ、いいさ、春にまた新しい門を作ってください」
ことにしたのでありました。これも運命。
暗くなってから業者たちは帰っていきましたが、
「何を食う、今夜」
しかし、こんどはガレージの前は、雪がつもっており、車での買い出しは不可能なのでありました。
幸いなことに、というか茅ヶ崎の自宅を出るときに、
「面倒な予感がするなぁ」
と感じて、お客様から贈られた、タラと白子をジップロックに入れ、持参してきたことを思い出したのでありました。
さーて、これから雪かき。
今夜、すこしでも雪をどけていないと明日の朝は往生しそうな、雪の降り方なのであります。
「明日は、母が使う前に風呂に入らないといけないな」
一か月も風呂に入っていない老母のあとの風呂を想像して、ひとり苦笑するのでありました。
この季節、雪の降らない場所に越しても
いまだに夜中、
あっ!雪掻きをしなければと
飛び起きる事がございます。
●十傳より→夜の雪掻きの響きは、なかなか沁みますですよね。
1/20AM7h0北の丁戊、1/22AM9h0北の丁丁、1/23AM9h0北の甲癸。能力を高めるならどれも同じですか?
●十傳より→高める能力があるのならのことですよね。
イライラお察しいたします。
私も今朝、母にぶち切れました。
私が捨てたタオルを拾って洗濯して干していたのです!
私は布製品は最後、色々なところを掃除して処分しているのです。
ほんと気持ち悪いです。ゴミ袋をあさらないでほしいです。
●十傳より→他にもありそーでありますね、使っているものが。
日本海の暴風に煽られながらの
夜中の雪掻きは、命が縮む思いでした。
御近所のお年寄りの姿が見当たらないと思ったら、
春、雪が溶けご遺体が発見されました。
そのショックは
一生忘れられません。
道路の雪のあのキュッ、キュッと言う音は、
人生の悲しみを感じる音でした。
●十傳より→雪も重そうですね。
母上様は もちろんジョークでありますですね?
((((;゚Д゚))))
●十傳より→いいえ、マジであります。
それでも先生との会話は成り立つのでございましょうか?
●十傳より→もしかすると、成り立っていないのかも。
オール電化は良いです…本当に良いです…故障さえしなければ。雨ニモマケズ雪ニモマケズ
●十傳より→一つでもおかしくなると、すべてに影響しますですよね、人間みたいに。
僕は今も実母については頭が煮えくり返るので、なるべく遮断してます。不帰の人とはいえ容赦できないことがいろいろと・・・。こんな気持ちも冬将軍が吹き飛ばしてくれたらいいですね!!
●十傳より→この世から、あの世の叔父を「成仏はさせぬ、なにがあろーと」と呪っておりますです。
マー坊の処分はいかがされるのでしょうか?
●十傳より→泣かせてやります。
先生、そう言えば蘭丸さまは?
●十傳より→けなげに、コンビニのパーキングの雪を掻いておりました。腰に緑色の粗末なマフラーを暖をとるために巻いて。
蘭丸さまには雪が似合いそうですね、
切々と歯がない感じが物語になりそうです。
●十傳より→冷え切った肢体を、我が股間で温めてあげたいです。
昨年の暮れからなんて、お母様 お気の毒でしたね
温かいお風呂に入ってサッパリしたかったでしょうに
先生の顔を見て、お母様 ホッされたのではないでしょうか
水張りのメッセ-ジに対して その都度
「分かりません」(オチャメな方です)
それに対して家電側には
「そんな事おっしゃらず もう一度確認を」
「ココを ああして コウして下さい」
「やれば出来ます、頑張りましょう」
ぐらいまでメッセ-ジを送ってくれれば、お母様も本腰をいれるかもしれませんね
ところで、門が壊れていたなんて思わぬ災難でしたね
●十傳より→ふたたびの工事が春から始まるのであります。