2014
08.07

この世は抜け殻なのでありましょうか。
脱皮を成長と勘違いしているのかもしれませんです。

松林の樹木には、画像のような蝉の抜け殻がたくさん残されておるのでありました。

木立を熱風が吹き過ぎていき、ときおり冷たい風も混じります。
だんだら模様のような風にのって蝉の声が高く低く感じられる夏の終わりなのでございます。
「暑いですね」
「ホント暑いですね」
挨拶はコレ。
その言葉もやがては抜け殻になり、「急に涼しくなりましたね」「ホント寒いくらいですね」などという季節の扉はそこまでやってきているのかもしれませぬ。

力尽きて地べたに落ちる蝉。
飛ぼうと頑張るのでありますが、役目を果たしたのか果たさなかったのかは分かりませぬが、時が来たようであります。

地べたでジリジリと泣いておるのであります。

まだ飛べる。
まだ愛されているのかもしれない。

しかし、時は無常ということなのでございましょう。
鳴かれても、その声さえ耳には届かないのでありますです。

松林には無数の蝉の蝉しぐれで満たされているからでございます。

そして、最後の脱皮した命の抜け殻の蝉がゴミのように転がっておりますです。

「私は鳴いたことがあったでしょうか」
とでもいうように。

が、たしかに鳴いたのであります。
羽根をふるわし全身で泣いていたのでございます。

鳴かなかった蝉の脱皮に冥福を祈ることにいたします。

以上は蝉についてのみ語ったのではございませんです。

  1. 先生の[東洋観相秘占]今日購入しました♪本屋で手に取り、はじめに…を少しだけ読んだら、最初から一気に引き込まれてしまい、嬉しくなりました(^^)これから家で読むのがワクワクします

    ●十傳より→最初から最後まで、うっすらと濁情のエキスをふりかけておりますです。

  2. 小野先生、私も今日やっと新刊本を拝読させて頂いて居るところであります。

    発売予定日の5日からこちらの主だった各書店を回り「ちょっと分からないです…」という丁稚を下がらせ、

    「ならば番頭か手代を呼べっ」と。

    すると揉み手をしながら「5日の発売になっておりますが伝票だけ上がって来ておりまして大変申し訳ございません!」と、

    まあこんな有り様ですから使用人たちに「入荷次第直ちにコーナーの中央に平積みにするように」と申し付け指導して参りました。

    で、本日お店に立ち寄りましたところ、手代や丁稚は直立して並んで一礼するのでありました。指導した通りコーナー中央に案内され平積みされておりましたです。

    私も満足げに「よしっ良かろう大儀である」と言いつつ【東洋観相秘占】を購入させて頂きましたで御座いますです。

    ●十傳より→それは良きご指導をなされましたです。かならずや良きことがございますでありましょう!

  3. 悲しい文章です。
    先生の苛立ちと悲しみが伝わって来るかのような内容です。
    どれほど願っても 時の流を止める事は出来ませんね。
    意気揚々と飛び回っていた 愛する人、愛するモノ が ある日から飛ぶ事が出来なくなり
    地面を這いながら過去を懐かしみ、それでもまだ、もしかしたら と
    見守る側にも辛いものがあります。

    先生のご本が昨日コンビニに到着しました。
    お昼休みは非常に忙しいので
    ちょっとだけ時間をもらい、これから受け取りに行こうと思います。
    早く手にしたいです。

    ●十傳より→お忙しい中、恐縮であります!

  4. 小野先生、ありがとうございました!今夜もぐっすりお休みになってくださいまし。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

    ●十傳より→今日という今日ほど疲れに疲れた講義はありませんでした…。すこし軽めに流さねばとはおもっているのでありますが。