2024
04.21
04.21
岩手県の一戸町に御所野遺跡はございまして、ひろびろとした野原に縄文文化が花開いたとかです。
五百年間、そこに代々暮らしていた気配がしずかに漂っておるのであります。
展示室は一見する価値がございます。
ニヤリとしたのは、画像の女体の焼き物。
見事なプロポーションの女体であります。
文化といったって、犯罪的なことも、生臭いこともあり、そして憎しみ合うことも。
そういう人間のいとなみが、喜びも干支身も、長い歳月を経て、遺跡の数々から推測されると、どういうわけか無常の浄化として迫ってくるのであります。
やがてこの世が滅び、長い歳月の先に、発掘されたとき、それらを見物する誰かは、どんなことを思うのでしょーか。
「バカなことに力をいれていたものだなぁ」
なんて空を仰ぐのかもしれません。
墓石の下から灰となった人骨をまえに、「どんな儀式だったのか」とか、地下鉄とかを眺めては「なにを急いでいたのか」と首を傾げるかもしれません。
しかし、いまの三十年間は空白の謎の時と研究されるはずであります。
スマホとかに納めている画像とかメールが焼失され、なにも残らないからであります。
女体の焼き物に、私メは引き付けられてしまったのであります。
占いに使ったであろう色々な遺物…。
生まれては死に、その子孫が死にながら次の子孫へとつないでいく、バカバカしい繰り返しを、バカバカしいとは思わずに真剣に受け止める、やはりバカバカしさ。
いろいろと感じさせてくれる、じつに有意義な一日でございました。