2016
08.15

葡萄の季節が忍び寄っております。

見上げると空に秋の色が混じっています。

酷暑はひとしおなのに、すでに次の季節の到来を感じることは、四柱推命の調候用神法を体得するには大事なことであります。
8月は申月。秋の最初の十二支でございます。
申月でも、季節の読み方としては夏を意識いたします。
つまり命式中において水を必要とするわけであります。
ただし地支に申ー子ー辰のような季節を前倒ししたような水局を形成している場合は、これは別でございます。
また、申ー酉ー戌の西方合が揃っている場合も別。

つまり、申月はまだ夏とは言いつつも、神経質な見方が必要というワケであります。

濁情が頂点に達し、相手との密着する悦びにふるえつつ、駅の改札でサヨナラし、一人電車で帰路についた時、ふと、虚しさというか、アホらしさを覚えることはないでしょうか。
それが濁情の申月なのでございます。
「好きだ!」から「好きであらねばならない」の強制的な濁情。

眩い夏の光が威力をゆるめると、漂白された街の風景がふたたび色を取り戻すように、季節は確実に葡萄の匂いに包まれております。

それは猛暑から解放されるとともに、失いつつある何かを想い出させるのでございます。

私メも、秋の講義のためのテキストの製本のために、本日も事務所でホッチキスをガッチャン、ガッチャンしてまいりました。

が、夏はまだ根強く残っております。
ステキな想い出をお作りくださいまし。

2016
08.14

からすみが届いたのでありました。

こうなると、おしりがむず痒くなり、仕事をしていることが落ち着かなくなるのでございます。

遠い南国の雰囲気が、箱のデザインからも漂ってくるのでございました。

お客様が、タイミングよく缶のアルコールを持参していただきましたのも、何かの縁でございます。

「では、このへんで鑑定は終わりにして、ちとお付き合いしてくださいませぬか?」
と切り出したのでございます。

からすみを薄くスライスしました、その欠片を口に入れましたところ、
「おおっ、これは…!」
形容もつかぬ美味なのでございます。

口内の粘膜をやわらかく刺激し、アルコールと絡み合うのでございます。
「もう一本いきましょうか」
と冷蔵庫から、キーンと冷えたヤツを取り出しまして、喉に流し込むのでございます。
神聖なはずの鑑定場所が、あらあらあら、ヤバイことになってしまいましたです。

が、こういうこともたまには許されるというか、いえいえ許されないかもしれませんけれど、鑑定内容によっては、効果的な場合があるよーでございます。

思い出したよーにデータを開いて「ここがポイントであるな」と甘い判断した部分を再確認することも出来たのでございます。

以前は、冬にいらしたお客様でしたが、人相が良くなって額のあたりが快い血色となっていましたから、私メもつい嬉しくなり、「では、もう一本」と。
でも、お酒も、お客様のお土産でしたので、なんというか、人のフンドシでの相撲だったりかもですね。

2016
08.11

「おかしい、謎を解くカギは、絶対に墓にあるはずだ」
この確信は、友の死を聞いた瞬間から発生し、頭を離れないのでありました。
家業が破綻し、妻の死から、ひと月も経たぬうちに没することは、あまりにも奇妙なのでありました。

菩提寺は知っておりましたから、車を走らせました。
友の名はサイトウヒロヤス。
見ると、前の車の番号は、3168。サイ・ロヤスではありませぬか。
ミラーで後ろの車をみたら、1016。トウヒロ。合わせると、友の名ではありませぬか。
なんとなく嬉しくなりましたです。

菩提寺の駐車場に車を止めて、花を抱えて、真新しい卒塔婆をしらみつぶしに探ったところ、「ああ、ここだ」と斉藤家の墓を見つけたのでありました。

なんだ、この穴は! 穴二つではないか! なんだ、墓の後ろに粗末に並ぶ小さな先祖の墓群は!

そして台座の縦に走る割れ目!
それも一つだけではなく、反対側にも、ヒビが刻まれていたのでございます。

墓は、上段から、福、禄、壽と意味があるのであります。
三段目に傷があることは、壽に難があることを物語りますです。

凶相の墓ということになり、私メは、嘆息しつつ、花を供するのでありました。
「ひとこと、おかしなことが続いていると、相談してくれれば…」と呟きましたら、「おらも行きて」と着いてきた老母が「わがねんだ、そったなこと知らねがったんだべおん」と、目をらんらんと光らせて、生き生きと手を合わせるのでございました。

皆さま、お盆の時期でございます。
もしも、何をやっても裏目に出ているならば、祖先の墓を注意深くチェックし傷やカビのような模様や、妙な穴はないか調べて見てくださいまし。また古い祖先の墓を差し置いたような墓でないことも忘れずに調べてみてみてみてくださいまし。

帰り道、前を行く車のナンバーは、3900。サンキューオノでございましたです。