2011
06.14
06.14
古い友人のサイが隠居いたしまして、前々から隠居するならいっしょにと約束していましたけれど、私はその約束をまもることができませんでした。
ちょっとしたうしろめたさがあるのであります。
それで、雰囲気だけでも隠居老人に近づくために、仕事をするときは、こうやってロメオを腹にだいている今日この頃なのであります。
というか、三階のこの部屋にかってに上がってくるのはロメオでして、ドアを叩くものですから、しかたなく招き入れますと、膝の上におともなくとびのるのです。
子犬のときからロメオは狭い場所を好み、ぎゅっと抱かれて自由を拘束されることも嫌いではないようなのであります。枕にされることも厭いませぬ。
数時間、原稿を作成している最中も、私の腹の中におさまっているわけであります。
シャツの中にもぐりこみますから、腹があたたまって気持ちがいいのであります。
いちおうは気を使うのであります。せっかくおとなしくしているのだから刺激させることは極力避けているのであります。
ですから電話などがあると
「寝てましたか?」
とか、
「いっぱいやってましたか?」
などと電話の相手が敏感な人ですと、私の微妙な気づかいを、別に解釈することも多々ございますです。
そうやってどうやって察するのか、仕事がひと段落しかけたあたりに、床にとびおり、シャンプー後の水滴を弾き飛ばすときのように、ひとしきり体をふるわせ大きく伸びをすると階下にいってしまうのであります。
友人のサイと、そういえば二月以来あっておりません。
モリオカに帰ったときには連絡して、酒を飲んでいたのですが、こんどまた誘わねばならないのであります。
キャッ!なんてかわいいんでしょう♪
……先生のお腹。
●十傳より→ロメオにも気にいられております。
どうもイヌはロメオくんのような短毛種が好きでつい目が行っちゃいます。体温がメターっとする感じが気持ちいいのです。私も仰向けになるとイヌが上半身に飛び乗ってきます。
ペットショップ育ちの子は母犬から早く離されたので飼い主の愛情面に対してしつこいですね。
ブリーダーから買った子は母犬と兄弟の元で一定期間育ったので自分を持っていますね。
●十傳より→毛触りは、シルバニアファミリーのクマの感じであります。
我が家のワンコは2階にいる娘に会いにいっては冷たくされ、
いつも階上から“きゅーん”とせつない声で助けを呼びます。
階段を登れるものの降りられないのです。
けこみ板のない一直線の危険な階段。
あたしはもっぱら降ろし係です。
●十傳より→階段はイヌにとっては恐ろしい断崖に感じられるのでありましょう。はじめから階段は登れないものと教えた方が幸せかもしれませんですね。
フワフワしているワンコも好きですが、
ロメオ君みたいなツルッとした短毛ワンコも
また魅力的ですね!うちには何故かロメオ君
をデッカくした様なワンコが、二匹描かれて
いる絵画が飾られています。フランチェスコ
とかイタリア語的なのも書かれてます。
母親が気に入ったようで、ムダにデカイ絵画
なんです…
●十傳より→犬の絵画ってのは、なかなかのムードあるものでありますね。その名前からだとオスでありますね。私にイタ語を教えてくれた人はフランチェスカ。女であります。