2013
07.11

お庭の黄色いお花を摘んで、それを味の素の空き瓶に活けました。

たちまち、部屋は悲しいしやわせで満ちたのでございます。
美人な母ちゃんがローカル電車にのっているような風景でございます。
となりにはヤンキー娘が腰かけて、
「へぇ、母ちゃんは、こんなところで育ったんだぁ」
なんて車窓に見入っている光景が目に浮かぶのであります。

「父さんと出会ったのはねぇ」
と母ちゃんが言いかけると、
「やめてよ、あんな人の話なんて」と口を尖がらせて、「あんな男と一緒にならなかったら、母ちゃんは、もっとしやわせだったはずだよ」
なんて。

もちろん妄想であります。
しかし、高校の同学年に、それはそれは可愛い子がおりまして、その子が同棲をしたと聞いたときには、ちと複雑な気分でありました。

その同棲相手と結婚したかどうかは分かりませぬが、結婚後、夫のDVでずいぶん苦労したようであります。
娘といっしょに郷里にもどったとのこと。

「でも、いまはつつましぐ暮らしてるっけ」
と、同じ部活で、いまは飲み屋を営んでいるお女性が教えてくれました。

味の素の空き瓶でしやわせなのか、それとも高価な花器に飾られるのがしやわせなのか。
お女性が台頭しつつある時代だとは申しますけれど、いまなおお女性のしやわせは男にゆだねられているところが多いのは否定できませぬ。

「おともにじゃ」
と呟いてみした。
味の素のAJINOMOTOを反対から読んだだけであります。
意味不明ながら、何かを訴えてくるような響きがございました。

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