05.28
実家の屋敷を壊すまで、このオルガンは納屋の奥で埃まみれで眠っていたのであります。廃品業者に処分させましたです。
得意だと言っても、幼稚な曲ばかりであります。
昭和天皇の前でも弾いたことがございます。弾かされたという方が正解でありますけれど。
いまでも楽器屋とかホテルにオルガンがあると、つい触れたくなるのでございます。脳髄が求めるのであります、あの痺れを。
ピアノとちがってオルガンは指の腹の指紋のひとつひとつに音のかすかな残響が感じられ、それが脊髄につたわる心地よい痺れがございました。
お女性の背中を鍵盤にみたて、寝そべりながら右手だけで子犬のワルツをスローで指先でなぞっていましたら、
「封印したのは何故?」
尋ねられて、どーしただったかな。ちょっと考え込んだことがございます。忘れているのでございます。
「だまっていて」
背中の体温が指の腹から逃げていくのが惜しくもあり、だからお馬の親子に曲を変えてお茶を濁したのでありました。
世の中には、理由もないサヨナラが多いのかもしれませんですね。
別れなくてもイイ関係なのに、サヨナラしてしまう。
サヨナラの言葉のない別れも存在いたします。
気に入って毎日のようにかよっていた喫茶店なども、これという理由もなく足が遠のいてしまうことだってあるわけです。
お気に入りの万年筆や、大切にしていた音楽CDがふいに失うことだってめずらしくありません。
このたびの疫病騒ぎや緊急事態宣言騒動で、まだ5月なのか、もう5月なのか、時の感覚のリズムがくるってしまい、これから雨季が来て夏になり、そして秋へと傾く時間の流れが、とても遠く苦しいものにかんじられますですね。
そして、きっとおそらく、それが何かとても大切なものとサヨナラしてしまっているはずであります。いまはサヨナラした何かが分からないけれど、耳を澄ましても聞こえないけれど、けっして戻ってはこないものなのでしょう。
イタリアのポンペイという都が一夜にして滅び、その後、千年以上も、そこに都があったことすら忘れられていたよーに、いつか、
「失くしたものはコレだったのか…」
と発見する日がくるかもしれません。
「何も訊いてはいけない。遠い昔のことなのだから」
指先だけは鍵盤を憶えていて、お女性の汗ばむ背中をなぞるのであります。
ジョンロードは、キーボード奏者ではございません。 オルガン奏者です。
●十傳より→そーですか。私メにはチンプンカンプンであります。
トデン グールド!
●十傳より→おそれいり過ぎますです。
下膨れの金太郎~♪
昔は手作りのこんな服があったんですね。
●十傳より→腹冷え防止のヤツであります。
世界中に中華街がありますよね。
住んでいるのは東南アジア人のようですが。
彼らは自分たちの古い歴史を知っているのでしょうか。
●十傳より→「虫戸(ばぐのへ)」とか地名をつけ、いつでもガス殺できるよーなに、閉じ込めなければなりませんです。
懐かしいオルガン
オルガンには 木造の校舎、歩くたび軋む床の音が似合います
オルガンの音色は すでに廃校になってしまった分校
その校舎の前にそびえ立っていた大きな椎の木を思い出させます
少し はにかんだ 若様
小野家の宝として大切に育てられたのですね
●十傳より→甘やかされた分だけ重圧も強いのであります。
先生、写真のお顔、やはり面影が残っていますね。
昔の子供は前掛けや腹巻きとか冷えないように親から
着せられてました。
幼稚園児のときは夜は腹巻きと毛糸のブルマーをはいて
寝てました。
小学生になって親に反抗してはかなくなりましたが。
●十傳より→自意識が芽生えると、とてもオショシイものでしょうね。
先生は欧米、英国好きですか?
●十傳より→米国には次の戦争で滅ぼしてのちに上陸するつもりで、いまだアメリカ領にはわたっておりませんです。
ずっと誰かに似てらっしゃると思っておりましたら、
そうです、ジョージ秋山さんでございます。
女性だと、ヴァイオリニストの毛利友美さん
才能のある方々は、共通した骨相となるんですかね。
それにしても金太郎さんスタイル
可愛いですね。
昭和の良き時代を感じます。
●十傳より→ポンポンが冷えないよーにと。下はすっぽんぽん。現在もその癖が残っておりますです。